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大気環境学会誌
Vol. 48 (2013) No. 5 p. 234-242

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http://doi.org/10.11298/taiki.48.234

原著

1992 年から2009 年までの期間で中部日本における典型的な夏季静穏日を抽出し、光化学オキシダント (Ox) 濃度の日変化の地域性ならびに熱的局地循環との関連について調査した。関東平野では大規模海風に伴う午後のOx濃度のピーク時刻の遅れが内陸・山岳部で観測された。また、濃尾平野でも内陸部ほど午後のOx濃度ピーク時刻の遅れが生じており、沿岸部で排出された大気汚染物質が大規模海風によって岐阜県南東部へ輸送されていることが示唆された。一方、関東内陸部における大規模海風侵入前の高濃度Oxは、静穏日が連続する日に出現しやすく、大規模海風のルート沿いにOx高濃度域が広がっていることがわかった。この原因の一つとして、前日に輸送されたOx が夜間に分解されて生じるNO2が滞留する影響が考えられる。中部山岳の盆地でのOx濃度の日変化は12時頃まで増加するが、その後は横ばいや減少傾向を示し、甲府では17 時、飯田では19 時に再びOx濃度が増加した。午後のOx濃度の減少あるいは横ばい傾向はポテンシャルオゾン (PO) 濃度でも同様にみられることから、NOによるO3の消費の影響は小さいと考えられる。 盆地内の局地循環により汚染物質が輸送される影響など、他の要因も考慮する必要がある。

Copyright © 2013 社団法人 大気環境学会

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