大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
Print ISSN : 1341-4178
ISSN-L : 1341-4178
速報
何故2013 年冬季の中国でPM2.5が高濃度になったか?
鵜野 伊津志弓本 桂也原 由香里板橋 秀一金谷 有剛杉本 伸夫大原 利眞
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 48 巻 6 号 p. 274-280

詳細
抄録

化学輸送モデル (GEOS Chem) とアジア域における大気汚染物質排出インベントリREAS を用い、2004 – 2013 年にかけての東アジア域のエアロゾル濃度の経年変化の解析を行った。その結果、2013 1 月は特異的にシベリア高気圧強度が弱く、中国東部で高濃度汚染の起こりやすい条件となり、PM2.5 の超高濃度汚染が発現したことを明らかにした。モデルによる収支解析の結果から、2013 年1月は例年に比較して、中国から日本域への輸送量の大きな増加はなく、日本における高濃度の頻度も例年より少なかった。

著者関連情報
© 2013 社団法人 大気環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top