大気環境学会誌
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研究論文(原著論文)
単純地形上の冷却塔排気拡散に関する風洞実験—排気上昇と模型表面粗度の影響—
瀧本 浩史小野 浩己佐藤 歩道岡 武信佐田 幸一
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2015 年 50 巻 5 号 p. 226-232

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抄録

我が国の地熱発電所は山間地に建設されることが多く、冷却塔からの排気プルームはその上昇過程において周囲の建屋や地形の影響を受けて拡散する。そのため、排気拡散の適切な予測には排気上昇過程の考慮が不可欠である。本研究では、風洞実験により地形影響と排気の上昇過程を同時に考慮し、その拡散特性について検討を行った。実験には、単純な2次元の尾根地形を使用し、その風上および風下の麓に煙源を配置した。また、地表面粗度の影響を検討するため、滑面と粗面となる2パターンの模型表面粗度を使用した。尾根地形風下の剥離域の中から排気を行う場合、循環流への巻き込みによって、煙源極近傍に最大着地濃度が出現するものの、地形による水平方向拡散幅の増大と、剥離に伴う風速低下によって初期上昇量が増大することで地表濃度の上昇はある程度抑えられる。模型表面の粗度を変化させた場合、尾根地形風下の剥離の特性などは大きく変化する。拡散場、特に最大着地濃度が剥離の影響を受けるような条件では、粗度により最大着地濃度が増減し、今回実施した実験条件の範囲において、粗面の最大着地濃度は、風上煙源の条件で滑面の約0.8倍、風下煙源の条件で約1.5倍となった。

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© 2015 大気環境学会
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