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大気環境学会誌
Vol. 52 (2017) No. 1 p. 12-18

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http://doi.org/10.11298/taiki.52.12

研究論文(原著論文)

PM2.5は、二次生成粒子である硫酸アンモニウムなどの水溶性成分含量の多いことが知られている。そこで、硫酸アンモニウムがマスト細胞株C57細胞の脱顆粒に及ぼす影響を検討した。その結果、硫酸アンモニウムは、初期反応濃度が1 mMのとき、有意にC57細胞の脱顆粒を引き起こすことが明らかとなった。さらに塩化アンモニウムおよび硫酸ナトリウムの実験から硫酸アンモニウム中、C57細胞の脱顆粒を引き起こすのに寄与したイオンは、アンモニウムイオンであることが明らかとなった。また、硫酸アンモニウムの初期反応濃度が1 mMのとき、C57細胞の刺激剤 (thapsigargin) による脱顆粒を有意に増強することが認められた。塩化アンモニウムと硫酸ナトリウムの混合液、およびそれらの単独実験等から硫酸アンモニウム中、C57細胞の刺激剤による脱顆粒を有意に増強したのはアンモニウムイオンであることが明らかとなった。

本研究により、アンモニウムイオンが多量に存在するPM2.5を吸引したとき、マスト細胞に影響を及ぼす可能性が示唆され、大気汚染物質としてのアンモニウムイオンに着目する必要性が示唆された。

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