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大気環境学会誌
Vol. 52 (2017) No. 1 p. 19-29

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http://doi.org/10.11298/taiki.52.19

研究論文(原著論文)

地熱発電所の環境アセスメントにて実施される硫化水素の大気拡散予測評価の期間短縮および費用削減を目的として、従来行われている風洞実験の代替として用いることのできる3次元数値モデルを開発した。

地熱発電所の冷却塔から放出される硫化水素の大気拡散評価を行うためには、冷却塔からの排気上昇過程、周辺建屋による拡散への影響、周囲の地形による拡散への影響を的確に再現できる必要がある。そのため、これらの現象を高精度に再現可能と期待されるラージ・エディ・シミュレーション (LES) をベースとした数値モデル構築を行い、さらに、LESに適した格子生成プログラムを開発した。

また、開発した数値モデルの予測精度検証のため、実際の地熱発電所を想定した風洞実験を行った。風洞実験との比較の結果、開発した数値モデルは風洞実験で得られた地表濃度の傾向を精度よくとらえられており、環境アセスメントで重要となる最大着地濃度に関しては、すべてのケースで風洞実験結果の0.5~2.0倍以内に収まる結果となった。これらの結果から、開発した数値モデルは地熱発電所環境アセスメントの硫化水素拡散予測に十分適用可能であると結論づけられた。

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