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大気環境学会誌
Vol. 52 (2017) No. 2 p. 59-67

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http://doi.org/10.11298/taiki.52.59

研究論文(原著論文)

対流圏オゾン濃度の上昇によりイネの収量が低下することが明らかになっているが、米の品質に与える影響については解明が進んでいない。さらに、地球温暖化の進行時に危惧される気温とオゾン濃度が同時に上昇した複合条件下における米の品質について検討した報告はない。本研究では、気温とオゾン濃度上昇の複合ストレスが玄米の外観品質に与える影響の品種間差異について解析した。

単独のオゾン暴露または加温条件下でのオゾン暴露により多くの品種の白未熟粒が増加し、主に北日本で栽培される品種は感受性の高いことが明らかになった。二元配置分散分析により、白未熟粒の発生割合に対して、オゾンと気温との間に有意な相乗効果が認められる品種と認められない品種のあることが明らかとなった。オゾンへの感受性が高い品種について、オゾン暴露量と白未熟粒の発生割合との関係を解析したところ、「コシヒカリ」では加温区と無加温区のオゾン処理による白未熟粒の増加傾向は同様であったが、「里のゆき」では加温区において、オゾンによる白未熟粒の増加が著しく高まっており、気温上昇下でのオゾンによる白未熟粒の増加機構が品種により異なることが示唆された。

また、玄米アミロース含有率とオゾン処理による白未熟粒の発生割合との間に有意な負の相関があり、アミロース含有率の低い品種ほどオゾンによる外観品質の低下が生じやすく、気温上昇下ではさらにその傾向が強まることが示唆された。

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