大気環境学会誌
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研究論文(ノート)
夏季東京都市郊外部におけるガス状グリオキサール濃度測定と発生源の検討
中嶋 吉弘鶴丸 央Ramasamy Sathiyamurthi坂本 陽介加藤 俊吾定永 靖宗中山 智喜宮﨑 雄三望月 智貴和田 龍一松田 和秀梶井 克純
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2017 年 52 巻 6 号 p. 167-176

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抄録

グリオキサール(Glyoxal)は大気中に気相とエアロゾル中どちらにも存在するジカルボニル化合物であり、その発生源は主に燃焼過程からの直接排出と非メタン炭化水素の光化学反応による二次生成であることが知られている。グリオキサールはエアロゾルや微小液滴中で二次有機エアロゾル(SOA)を生成することから、その大気濃度や発生源に関する研究が進められている。しかし実大気でのグリオキサールの観測例は限られている。本研究では新規に開発された高感度光吸収法 (広帯域キャビティ増幅吸収法:IBBCEAS) を用いて、2015年8月にFM多摩丘陵(東京都八王子市)周辺のガス状グリオキサールの濃度測定を行った。観測期間中の平均濃度は0.25±0.20 ppbvであり、都市域での観測例と同程度の濃度であった。大気微量成分濃度との同時観測結果との検討から、観測地点周辺のグリオキサールの発生源は光化学反応による生成であることが示唆された。

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© 2017 大気環境学会
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