大気環境学会誌
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総説
Positive Matrix Factorizationモデルを用いたPM2.5の発生源解析―文献調査による解析手法と東アジア地域の現状の整理―
豊永 悟史 中坪 良平池盛 文数山神 真紀子武田 麻由子土肥 正敬鈴木 晃功菅田 誠治
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2019 年 54 巻 4 号 p. 139-160

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抄録

PM2.5等の大気汚染物質の発生源解析に用いられる代表的なレセプターモデルであるPositive Matrix Factorizationの解析方法と、東アジア地域のPM2.5発生源解析の知見の整理を目的として、PMFモデルを用いた査読付き論文53報の文献調査を行った。PMFモデルで解析を行うために必要な成分ごとの重みの調整等の項目について、多く用いられている手法を整理した結果、ソフトウェアのマニュアルに記載されていない手法が多く用いられている項目も確認され、解析の際に注意を要することが示された。また、因子解釈に重要な指標成分についても整理を行った。東アジア地域と日本国内のPMFモデルによる発生源解析結果を比較したところ、地域によって主要な発生源が異なっていることが示唆されたが、今後の対策検討のためにはさらに多くの知見の蓄積が必要であると考えられた。

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© 2019 大気環境学会
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