大気汚染学会誌
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キャピラリーカラムガスクロマトグラフィーによる芳香族ニトロ化合物の分離分析法
松下 秀鶴塩崎 卓哉藤原 美紀後藤 純雄半田 隆
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1983 年 18 巻 3 号 p. 241-249

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抄録
環境試料中の芳香族ニトロ化合物 (NO2-PAH) の微量分析法作成の一環として, 溶融シリカキャピラリーカラムガスクロマトグラフィーにおけるNO2-PAHの分離挙動を調べ, 得られた分離条件を環境大気試料に適用した。本ガスクロマトグラフィーでは, カラムに化学結合型5%フェニルメチルシリコン溶融シリカキャピラリーカラムあるいは, Carbowax 20M溶融シリカWCOTカラム, 検出器に窒、素-リン検出器 (NPD) を用いた。試料は, スプリットレス方式で注入され, 昇温法で分離された。その結果, 上記種類のカラムの併用により, 40種のNO2-PAHのほとんどが良好に相互分離することがわかった。更に, 内部標準物質としてベンゾ (f) キノリンを用い, NO2-PAHの相対保持比を算出した結果, これらの変動係数が0.15%未満と再現性が良好なことから, 相対保持比は物質同定に有力な手段となり得ることがわかった。また, ピーク高さの変動係数は5.6%以下となり, ピーク高さの測定により十分NO2-PAHを定量しうることもわかった。NPDは含窒素あるいは含リン合化物の選択的検出器で, NO2-PAHに対する検出感度はS/N=2で1ng以下となり, そのほとんどは10Pgから0.2ngであった。したがって, NPDは多種のNO2-PAHの微量分析に有用であると考えられた。本分離条件を大気浮遊粉じん中のNO2-PAHの分離分析に適用した結果, 19種のNO2-PAHが大気浮遊粉じん中に存在する可能性が見出された。
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