大気汚染学会誌
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肺がん死亡率に影響を与える要因の疫学的研究
Negative binomialモデルを用いて
佐藤 俊哉前田 和甫
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1984 年 19 巻 1 号 p. 47-56

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抄録

東京都23区における昭和50年から昭和55年までの肺がん死亡率と人口のデータを性・年齢階級・23区別に552の属性の異なる集団に分割し, 各集団間の肺がん死亡率の差に影響を与える要因について検討した。解析には集団内でのリスクの不均一性を考慮できるモデル (Negative binomial model) を用いた。
従来から指摘されていたように, 年齢の効果だけではなく出生コホートの効果を考慮することの重要性が再認された。ただし男性では従来の知見と異なり, 出生年次が下がるにつれ出生コホートの効果は減少する傾向にあった。更に, これらの要因に加え地区要因を考慮することの重要性が認められた。地区の効果は最大の区と最小の区で1.3倍の違いがみられた。また地域による集積性もみられ・環境要因の存在が疑われた。そのため, ガソリンエンジン車の2-3倍の変異原性物質を含むディーゼル排気を環境要因の一つと考え解析を進めたが, 今回のデータからは肺がん死亡率に対してディーゼル排気の影響は認められなかった。

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