大気環境学会誌
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大気中の有機過酸化物の生成過程と測定
畠山 史郎
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1995 年 30 巻 4 号 p. 215-223

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抄録

大気汚染対策が進んだことにより, 従来はあまり問題にされなかった低濃度の大気汚染物質への関心が高まっている。そのなかで, 特に森林被害や, SO2の酸化による酸性雨・酸性霧現象にも深く関連しているのではないかと見られる有機過酸化物の生成機構と, その大気中濃度の測定法について総説した。有機過酸化物は主に森林樹木の放出する天然炭化水素とオゾンの反応によって生成する。最近の有機過酸化物という測定では, 従来のような全有機過酸化物という測定ではなく, 個々の化学種それぞれの濃度を個別に測定する手法が主流となって来つつある。大気中の有機過酸化物としてはメチルヒドロペルオキシド (MHP) とヒドロキシメチルヒドロペルオキシド (HMHP) が主要なものである。

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