大気環境学会誌
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Na-X型合成ゼオライトを用いたフロン分子の接触分解に関する研究
平岩 万奈長山 隆志村田 友範山崎 淳司名古屋 俊士
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1995 年 30 巻 5 号 p. 297-306

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抄録

大気汚染物質であるフロンガスの大気中への放出を防止する対策として, ゼオライト触媒によるフロン-11, フロン-12分子の分解を試みた。
5.00gのペレット状ゼオライトを用いて, 400℃の温度下でフロン分子の触媒分解実験を行った結果, フロン-12に比べてフロン-11の方が多く分解されることが明らかとなった。
次に, 長時間のフロン分子分解実験を行った際ゼオライトの触媒機能の劣化がみられた。これについてフロン分子分解後ガスの分析, フロン分子分解前後のゼオライト試料の粉末X線回折測定を行った結果, フロン分子の分解に伴って発生する酸によって部分的にゼオライトの骨格が破壊されることが明らかになった。さらに, フロン分子分解前後のゼオライト試料の赤外吸収スペクトルを観察することによって, ゼオライト試料の触媒としての寿命を, ある程度予測できることが確認された。

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