1995年8月19日~20日にかけて, 奥日光前白根山 (2, 377m) の頂上近くの高度約2, 320m付近においてオゾンの濃度を測定した。蓄電池と太陽電池によって駆動されるエレクトロケミカル・オゾンセンサーと小型データ・ロガーを用いて測定を行った。109ppbにおよぶ高濃度のオゾンが観測された。オゾン濃度は風向が南東のとき高くなった。観測点の近くにあり, 周辺に森林被害の見られない環境観測所 (弓張峠付近, 高度約1,450m) におけるオゾン濃度はずっと低く, 今回の結果は, オゾンが森林被害の重要な原因の一つであることを示唆しているものと思われる。