大気環境学会誌
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地形上における長時間平均の最大着地濃度推定方法
岡林 一木井手 靖雄大場 良二
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1997 年 32 巻 4 号 p. 296-308

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抄録

既存の従来型風洞による地形上での長時間平均濃度の予測は, メアンダー効果の風洞内再現が難しく通常は困難である。そこで, 本報では従来の風洞を用いた数分から数十分平均に対応する実験結果から長時間平均の最大着地濃度を推定する方法を提案する。
また, 提案した推定方法の信頼性を検証するために4種類の地形模型を用いて平均化時間に相応の風向変動幅σAを変化させた風洞実験を実施した。その際, 重合法風洞実験により風向変動幅σAを0°, 5°, 10°, 20° と変化させた。このうち, σA=5°, 10°, 20° において計測された最大着地濃度をそれよりも小さなσA=0°, 5°, 10°の風洞実験データを用いて推定し, 実際に計測された最大着地濃度と比較した。その結果, 推定された最大着地濃度は風洞実験で計測された最大着地濃度と良い一致が見られ, 本推定方法の有用性が確認できた。

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