1998 年 33 巻 1 号 p. 36-41
野外のトウモロコシ群落 (観測期間11995年7月29日~8月10日, LAI: 5.7, 日中平均正味放射量: 557Wm-2) とエンバク群落 (観測期間1995年10月21日~27日, LAL3.8, 日中平均正味放射量: 296Wm-2) を対象とし, 二酸化炭素 (CO2) の沈着速度 (KCO2) とオゾン (O3) および二酸化窒素 (NO2) の沈着速度 (KO3, KNO2) を熱収支ボーエン比法を用いて観測した。観測したデータからKCO2とKO3およびKNO2の比であるO3の沈着比例定数 (RKO3) とNO2の沈着比例定数 (RKNO2) を求めた。
トウモロコシ群落とエンバク群落のRKO3の日中平均値はそれぞれ2.2と5.1であり, 植物群落の種類による差異が認められた。植物群落間のRKO3の差はKO3の植物群落間の差というよりはKCO2の差, すなわち植物群落の光合成能力の差, が主な原因であると考えられる。また, エンバク群落のRKO3とRKNO2はそれぞれ5.1と3.8であり, ガスの種類による差異も認められた。