1999 年 34 巻 4 号 p. 299-309
大型ディーゼルトラックへのDPFの適用性を検討するため, SiCハニカム・フィルターを使用するフル・フロー・軽油バーナー再生型DPFを装着した試験車を製作し, 路上走行試験を行った。
試験期間の総走行距離は35, 348km, DPFの総再生回数は903回に達したが, この間, 黒煙の排出は見られなかった。また, 定期的に大型シャシーダイナモメータにおいてPM等の測定を行った結果, PMの捕集効率は約90%を持続した。このことから, SiCフィルターの捕集性能に劣化がなかったと判断できた。また, 期間中, DPFの本質的な不具合は発生せず, 運転性への影響も認められなかった。よって, DPFの基本的な耐久性, 信頼性が確認され, 大型トラックへの適用の可能性が実証された。
一方, 再生時の燃料使用を主因とする燃費の増加は, 郊外走行で8.4%, 高速走行4.7%, 都内走行8.6%になった。DPFを大型ディーゼルトラックへ適用するためには, 燃費改善が課題の一つであることが明らかになった。