大気環境学会誌
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半導体アンモニウムセンサーの較正と野外での検証
米村 正一郎川島 茂人大嶋 秀雄横沢 正幸
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1999 年 34 巻 4 号 p. 321-330

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抄録

簡易に経時的な測定が行える半導体アンモニア臭気センサーの有効性を明らかにした。実験室では基準ガスとの比較等によってアンモニア臭気センサーの特性を調べた。その結果, アンモニア臭気センサーの指示値はアンモニア濃度と同様に水蒸気圧にも正の応答をすることがわかった。
野外において化学分析手法による測定値との比較を行い, その精度を検証した。アンモニア臭気センサーの指示値と水蒸気圧測定値を組み合わせることで, アンモニア濃度を求めた。野外での濃度湿度条件はアンモニア濃度が100ppbv以下, 水蒸気圧は4~16hPaの条件であり, ほう酸で捕集したサンプルをインドフェノール比色法で分析したアンモニア濃度値と良い相関 (R=0.80, n=57) を示した。酸捕集-比色法で測定したアンモニア濃度が正しいとした場合の, アンモニア臭気センサーによる測定値の推定誤差は, ±9.72ppbvとなり, 農耕地でのバックグラウンド濃度であった10ppbv濃度の低アンモニア濃度の変動を, 野外で検出できることが明らかになった。

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