大気環境学会誌
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エアートレーサー実験によるストリートキャニオンでの大気拡散に関する検討 (II)
キャニオン内および後背地における鉛直濃度分布を中心として
石井 康一郎吉野 昇岡本 眞一
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2000 年 35 巻 3 号 p. 144-157

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抄録

都市内のストリートキャニオン内に設置した線状の噴霧源から実施したエアートレーサー拡散実験で得られた, キャニオン内およびその周辺における濃度鉛直分布データを解析することにより, 次のことが認められた。
(1) 道路に直角の上空風の場合, キャニオン風下側のビル上端部からキャニオン内部までトレーサーガスが降下し, 循環することが示された。
(2) 強風時には, 噴霧されたガスがビル群の上空を経由して風下側後背地のビルの谷間に降下することが示された。
(3) 周辺ビル高度30m程度の地域においては, 正規分布式から求めた道路内の道路端における鉛直方向の拡散幅σzoは, 強風時には約25m, 弱風時には22-42mであった。

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