大気環境学会誌
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家庭用焼却炉からのダイオキシン類の生成要因の考察
ごみ中のポリ塩化ビニル比とダイオキシン類濃度の関係について
辰市 祐久早福 正孝古明地 哲人岩崎 好陽
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2001 年 36 巻 1 号 p. 13-21

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抄録

紙類, 材木, ベニヤ板, 落ち葉, ポリ塩化ビニルを混合した材木, それらの混合物等を家庭用焼却炉を用いて焼却したときの, ダイオキシン類の生成状況と, その生成要因を検討した。
家庭用焼却炉の炉温は平均400~600℃であり, 排ガスの平均CO濃度は0.04~1.8%と高濃度で変動が大きかった。材木にポリ塩化ビニルを約0.1~5.0%混入した場合の排ガス中のダイオキシン類濃度は, 3.2~1100ng-TEQ/m3Nとなり, ポリ塩化ビニルの混入率が多くなるにつれて, ダイオキシン類濃度は急激に増加した。ポリ塩化ビニル混入率と排ガス中のダイオキシン類濃度との関係は,
Y=1406X1.4 X:
ポリ塩化ビニル混入率 (%) Y: ダイオキシン類濃度 (ng-TEQ/m3n) となった。
また, ポリ塩化ビニルを19焼却すると約140ng-TEQのダイオキシン類が生成した。焼却灰中のダイオキシン類濃度も同様に, ポリ塩化ビニルの混入率が多くなるにつれて増加した。

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