2001 年 36 巻 2 号 p. 88-98
悪臭を総体で評価する嗅覚測定法として悪臭防止法で採用されている三点比較式臭袋法の精度をより高めるため, 現行の方法を改良した様々な条件を設定し, コンピューターシミュレーションによりそれらの適用の可能性を検討した。その結果, 排出口測定法に関しては現行の方法で十分な精度が確保できているが, 環境測定法に関しては必要な情報に応じて希釈倍数を変えて測定を行うこと, 具体的には, 測定臭気指数範囲下限の1/2の希釈倍数と測定臭気指数範囲上限の3倍の希釈倍数を基本として希釈倍数を設定することにより, 現行の方法よりも信頼性の高いデータを得られることが示唆された。