大気環境学会誌
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都市内幹線道路を対象とした沿道大気質予測シミュレーションモデルの構築 (I)
シミュレーションモデルの概要と検証
吉川 康雄林 誠司平井 洋上原 清
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2003 年 38 巻 5 号 p. 269-286

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抄録

幹線道路沿線の大気質改善に資することを目的として, 自動車からの排出ガスが沿道大気質に与える影響を解析することに主眼を置いたシミュレーションモデルを構築した。
モデルは,(1) 沿道の詳細な交通流を予測するモデル,(2) 過渡的な排出ガス量の分布を推計するモデル,(3) 気流および排出ガスの移流拡散の予測するモデル, のサブモデルからなる。
開発したモデルの検証は, 風洞実験における単純形状の流れ場の比較, 風洞実験における市街地の縮尺モデル流れ場の比較, 実市街地におけるトレーサ拡散実験との比較, 大気環境常時監視測定局 (常監局) 測定値との比較, と段階を追って行った。いずれの段階でも, モデルは良好な妥当性を示した。常監局の日平均値の比較において, 計算は実測に対して20~30%程度の差異となる結果が得られたことで, 本モデルの実市街地の大気質予測への適用性が確認できた。

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