大気環境学会誌
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日本における大気汚染物質排出グリッドデータベースの開発
神成 陽容馬場 剛植田 洋匡外岡 豊松田 和秀
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2004 年 39 巻 6 号 p. 257-271

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抄録

大気輸送モデル研究に用いる基礎データを提供することを目的として, 日本全国を対象地域とする大気汚染物質排出インベントリーを開発した。対象年は1995, 1998年度であり, 対象物質はNOx, SO2, CO, NMVOC, PM10, NH3, CO2である。排出データは, 空間的には緯度5分, 経度7.5分のグリッドに分解され, 時間軸上には月別の昼夜別排出量として分解されている。1998年度における人為起源総排出量は, NOx 2.2Tg, SO2 1.0Tg, NMVOC 1.9Tg, CO 3.8Tg, PM10 0.18Tg, NH3 0.5Tg, CO2 1.1Pgであった。また, その他に卓越する発生源として, 植物起源NMVOC 1.8Tgが推計された。各汚染物質はいずれも都市活動の活発な地域で高密な排出量分布を示したが, NH3では農業起源の, NMVOCでは植物起源の特徴的な分布がみられた。NH3, NMVOCの排出は夏季にピークをもつ季節変動の特徴を示した。

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