抄録
工業施設などから事故により危険性物質が漏洩した場合, 従来より建物モデルから排出されたガスの後流域における濃度場を対象にした風洞実験がなされてきた。一方で, 漏洩源より離れた位置に各種構造物が存在し, その拡散過程において後流域の影響を受ける場合もまた想定される。そのため, 本研究では障害壁を対象にした拡散風洞実験を行い, 上流側点源放出されたトレーサガスの平均・変動濃度特性を障壁後流域の乱流構造に基づき, 連行特性について検討した。また, 危険度評価の観点から風洞実験により得られた濃度変動の確率分布関数がそれぞれ99, 95, 90%となる各種瞬間最大濃度の出現特性についても検討し, 従来より提案されている指数型および対数正規型による確率分布関数により得られる最大濃度との整合性について調べた。その結果, 特に確率分布関数が90%となる最大濃度は, 濃度変動強度の値によらず指数型により推定できることなどが分かった。