大気環境学会誌
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道路近傍におけるタイヤ磨耗粉じんの計測と排出係数の推計
土岐 真一國見 均
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2006 年 41 巻 3 号 p. 144-163

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抄録

自動車タイヤの走行磨耗による粉塵の発生量を沿道で計測した。計測は見通しのよい直線道路で行い, 距離減衰および後背地濃度を含めておこなった。その結果はCMB法による解析を行うとともに, 自動車起源の排出量を推計し, 環境省の「浮遊粒子状物質汚染予測マニュアル」に記載された排出係数と比較した。その結果, 今回の観測をもとにして得られた自動車タイヤ磨耗量は, マニュアルの排出係数を約1/10にすると自動車排気排出量と整合することがわかった。本結果は米国EPAが公表しているタイヤ磨耗の排出係数と近い結果であった。一方, 自動車走行による巻き上げ粉じんについても計測を行い, 同1/10という結果を得たが, 巻き上げ粉塵については道路環境の影響が大きく, 精度は不十分であると考えられた。タイヤ磨耗の排出係数は大気シミュレーションモデルにおけるSPM濃度予測に与える影響が大きいことから, さらなる追試, および異なる環境での計測, 等により精度向上を図る必要がある。

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