大気環境学会誌
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立山・美女平におけるオゾン、窒素酸化物および二酸化硫黄濃度の測定
渡辺 幸一朴木 英治吉久 真弘西野 幹柳瀬 友治
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2006 年 41 巻 5 号 p. 268-278

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抄録

2004年および2005年の夏期から秋期に立山西側斜面の美女平 (標高977m) においてオゾン, 窒素酸化物および二酸化硫黄の測定を行った. オゾンは夏期や初秋期には, 午後に濃度が極大となる明瞭な日変化が観測されたが, 11月には日変化はほとんどみられなくなった. 一方, 二酸化窒素は日中に濃度が高く, 夜間に低濃度となる日変化が観測期間を通して観測された. 美女平におけるO3濃度の夏期と秋期の日変化の違いは, 主にO3の光化学生成の違いによるものと考えられる. また, 11月には高濃度の二酸化硫黄がしばしば観測された. 後方流跡線解析から, アジア大陸の工業地域が高濃度SO2の起源となっている可能性が示唆された.

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