大気環境学会誌
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一般廃棄物最終処分場における一酸化二窒素の連続モニタリング
谷川 昇古市 徹石井 一英小田 希美子
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2007 年 42 巻 4 号 p. 253-259

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抄録

試料吸引タイプの単光束型赤外線吸収方式一酸化二窒素 (N2O) 自動計測器と試料非吸引タイプのオープンパス型N2O自動計測器によって, それぞれオープン型とクローズドシステム型の一般廃棄物最終処分場の大気中のN2O濃度を連続測定し, 埋立ガス中のN2Oが大気中N2O濃度に及ぼす影響を検討した。
オープン型最終処分場の大気中N2O濃度は, 風速が約1~2m/s以上の場合には0.30~0.33ppmの通常の都市大気濃度の範囲であったが, 風速が1m/s未満の微風または無風が継続する場合には上昇しており, 埋立ガス中のN2Oが大気中N2O濃度に影響を与えていることが認められた。
オープンパス型N2O自動計測器によって, 小規模のクローズドシステム型最終処分場内のN2O濃度の大まかな変化を把握できることがわかった。また, 計測されたN2O濃度上昇速度から, 不燃ごみ等の破砕残渣を埋め立てている最終処分場における単位埋立面積当りのN2O発生速度は, 約60μg/m2・hと推定できた。

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