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大気環境学会誌
Vol. 43 (2008) No. 3 P 161-172

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http://doi.org/10.11298/taiki1995.43.161


2004年12月-2005年1月の冬季に, さいたま市においてエアロゾル質最分析計により微小粒子成分の高時間分解観測を行った。観測期間中は有機物と硝酸塩が主要な成分であったが, 風速の高い期間では硫酸塩の割合が上昇した。PMF (Positive Matrix Factorization) 法をAMSの有機質量スペクトルデータの解析に用い, 有機物の主要な構成と起源を5つに同定した。燃焼起源 (HOA (Hydrocarbon-like Organic Aerosol) およびBBOA (Biomass Buriing Organic Aerosol)) と含酸素有機エアロゾル (OOA) のような組成 (OOA type 1, OOA type 2, およびoxy-HOA) に割り当てることができ鳥本研究では日本におけるAMSデータをPMFによる解析を行った最初の事例研究であり, oxy-HOAという組成 (因子) を初めて報皆したものである。OOAは小さいm/zとスモッグチャンバーの試料に類似した質量スペクトルを持つOOA type1 (有機物に対する割合で21%) と, エイジングがかなり進んだOOA type2 (21%), HOAとm/z44 (主にCO2+) のシグナルをもつoxy-HOA (18%), レボグルコサンに類似したBBOA (25%) に割り当てられた。本研究における解析結果では二次生成およびエージングプロセスの寄与が他の起源より高く, 移動発生源からの微小粒子中の有機物への寄与は小さい (HOAで16%) ことが示唆iされた。また, BBOAの寄与 (25%) はこれまで報告されているレボグルコサンの濃度から推定された寄与 (全炭素の約31%) とほぼ同程度であった。これら成分の寄与率は風速に基づく気象条件や粒子濃度に依存することが示唆された。

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