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大気環境学会誌
Vol. 43 (2008) No. 6 P 315-322

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http://doi.org/10.11298/taiki1995.43.315


東京都心のビル屋上において1994年度から2004年度に粒子状物質とその成分組成の長期定点観測を行った。粒子状物質はPM21-7 (2.1-7μm) とPM21 (<2.1μm) に分級して捕集した。粒子状物質濃度は1990年代後半には横ばいで推移したが, 2000年代にはいると低下傾向がみられた。また, SPM中のPM21含有率の低下も認められた。炭素成分は熱分離法による分析値を熱分離光学補正法の分析値との一次回帰式で補正した。PMの主要成分である炭素成分のうちECは90%がPM21に存在した。ECは1994年に比べて2004年には半減した。また, PM21に対するECの比は1998年以降, 低下傾向にあり, ディーゼル車の長期規制の導入時期と一致した。イオン成分ではSO42-, Cl-, NO3-に季節変動がみられた。高温期はCl-, NO3-のアンモニウム塩の揮発による損失の影響が大きく, 成分濃度を正しく評価することが困難である。そこで, 低温期の観測直に限定して経年変化のトレンドを再評価した。低温期のみの平均濃度の経年変化をみると, Cl-に低下傾向がみられた。これはダイオキシン嫌のために行った, 廃棄物焼却炉の規制により, Cl-の排出量が低下したためと考えられた。東京のPM濃度の低下はこれらの規制の効果によるものと推察された。

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