2018 年 20 巻 p. 123-130
我が国の産業界,特に機械や電気製品などのハードウエア産業においては,製品を企画,設計し,製造するという一連の工程を,国内だけでなく,海外の市場に近い場所で行うことが半ば常識的になっている。 一方,コンピュータの特にソフトウエア産業においては,海外で製造する体制は,2017年現在,一部の大手企業を除いて,まだまだ普及半ばである。そのため,ソフトウエアは,日本国内での製造がほとんどで,新興国に比べ,国内の人件費が高いことから,コスト競争力が低いままに置かれており,製造も市場も日本国内に限られている状況から,世界がグローバル化に突き進む中,明るい未来が見えてこない。 本研究は,このような状況を改善し,日本の得意分野であるICT産業のグローバル化を進めていくためには,特に大学などの高等教育機関におけるソフトウエアの開発教育の改善が必要と考え,教育の内容および実践について研究するものである。