2017年3月31日告示の学習指導要領改訂に伴い,日本の公立小学校では2020年度より正式に,従来の「外国語活動」としての英語教育を小学校3年生より導入,かつ教科としての「外国語科」を小学校5,6年生対象に行うこととし,2018,2019年度をその移行期とした。 国々の往来の激しくなった現在,スイスの小学校英語教育も変化期にあり,従来,第2外国語の対象ではなかった英語は,その重要性が再認識され, 2017年より小学校3年から実施されている。この現状の下,本稿ではスイス,アッペンツェル・アウサーローデン(Appenzell Ausserrhoden)州の小学校英語教育を取り上げ,その教育の背景と使用教科書を分析し,新学習指導要領における日本の小学校教育の下,2018年度より新たに使用されている英語教科書の内容・構成と比較,スイスARの小学校と日本の小学校の英語教育を検討する。