2009 年 23 巻 1 号 p. 112-118
Multidetector row CT(MDCT)の進歩により,飛躍的に時間分解能,空間分解能が向上し,胆管癌の局所進展度診断においてもCTが大きな役割を担うようになってきた.但し,ドレナージ施行前に,thin sliceで多相性のダイナミックCTを実施する必要がある.読影をモニター上で詳細に行うことにより,腫瘍部は,病理の肉眼像にせまる正確さで評価でき,水平方向進展のうち壁内進展については診断可能な現状にある.しかしながら,中下部胆管癌に多くみられる表層進展についての診断は現時点でも困難であり,管腔内超音波検査(IDUS)や胆道鏡などを要する.胆道癌の診断には,各種検査法の利点と限界を踏まえ,さらに胆管癌の進展様式の特徴や術式に関する事項についても精通しておく必要がある.