胆道
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総説
分枝型胆管内乳頭状腫瘍(IPNB,branch type):その病理学的特徴と発生・進展機序
中沼 安二佐藤 保則中西 喜嗣
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2012 年 26 巻 4 号 p. 592-598

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抄録

要旨:胆管内乳頭状腫瘍intraductal papillary neoplasm of bile duct(IPNB)は,肝内外の胆管内に発生する乳頭状腫瘍で,狭い線維性血管芯を中心とした病変であり,2010年WHOの消化器腫瘍分類の改訂で,胆管癌の前癌・早期癌病変として認知された.胆管壁内外へ浸潤し,通常の胆管癌へと進展する症例も知られている.そして,IPNBは,膵に見られる導管内乳頭状粘液性腫瘍IPMN,特に主膵管型に類似することが注目されている.最近,膵IPMNの分枝型に相当するIPNB症例が相次いで報告されている.これら分枝型IPNBはいずれも胆管周囲付属腺に病変の主座を置く病変であり,嚢胞状,特に瘤状あるいは憩室状の変化を示した.現時点で,分枝型IPNBとして報告されている病理像を解説し,その発生,進展機序を述べた.

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© 2012 日本胆道学会
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