2016 年 30 巻 5 号 p. 889-894
症例は52歳女性.右季肋部痛および肝胆道系酵素の上昇と黄疸を認めた.CT,EOB-MRI検査では中部胆管に不整な壁肥厚を認め,同部位はMRI拡散強調画像で高信号を呈した.ERCP,MRCP検査では胆管非拡張型の膵・胆管合流異常を認め,中部胆管に不整な狭窄像を示しており胆管癌が疑われた.病理組織所見では遠位胆管(胆道癌取扱い規約第6版)に管状腺癌を認め,胆嚢管を含め胆嚢には癌を認めなかった.胆管非拡張型合流異常に胆管癌のみを合併した比較的まれな症例と考えられた.