谷本学校 毒性質問箱
Online ISSN : 2436-5114
バイオマーカー
1.安全性バイオマーカーの評価とその実例:薬剤性間質性肺炎の新規バイオマーカーの探索と検証
斎藤 嘉朗齊藤 公亮荒川 憲昭
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2024 年 2024 巻 26 号 p. 1-6

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抄録

バイオマーカーは、一般に「正常な生物学的過程(生体の維持・機能を示す過程)、病原性を示す過程、または曝露や介入(治療的介入を含む)に対する生物学的反応の指標として測定される、定義された特性を有する。バイオマーカーには、分子的、組織学的、画像的、または生理学的な特性が含まれる。個人の感覚や気持ち、生体機能、生死は、バイオマーカーには含まれない。」と定義される1)。医薬品の効率的な開発のためにはバイオマーカーの利用が重要であるが、コンパニオン診断薬以外の臨床試験においてエンドポイントに用いる等、医薬品開発ツールとしてのバイオマーカーの利用及び評価に関する規制文書は示されていない。バイオマーカー評価に関しては、一般に臨床的(または非臨床的)妥当性と分析的妥当性が必要である。その上で、臨床的(非臨床的)有用性を示すことになる。

安全性に関するバイオマーカー(以下、安全性バイオマーカー)は、副作用の早期検出による重症化回避や重篤性の定量的把握に有用とされている。しかし、医薬品開発の段階では毒性発現により医薬品開発自体が中止となり、それに伴いバイオマーカーの開発もなされないことが多い。さらに、安全性バイオマーカーに関しては、1種類の医薬品のみでなく複数の医薬品に関する一般性の情報が重要等、特有の課題もある。

本稿では、まず医薬品開発ツールとしての安全性バイオマーカーに焦点を絞り、その評価における留意点 を述べる。次に、薬剤性間質性肺炎のバイオマーカーを例に、その探索及び評価結果について概説する。

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