日本味と匂学会誌
Online ISSN : 2424-1326
Print ISSN : 1340-4806
2. 島皮質における神経回路とレプチンによる修飾作用(<総説特集I>食べることの仕組み:分子・脳・学習-2)
小林 真之
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2013 年 20 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

島皮質では、味覚を始め内臓感覚、温度感覚、痛覚を含む複数の感覚情報が処理されると同時に、扁桃体や視床下部などの辺縁系からの豊富な入力を受けることから、島皮質はこれらの感覚情報と情動を統合している可能性がある。島皮質は細胞構築学的に3領域(顆粒・不全顆粒・無顆粒皮質)に分類され、各領域の大まかな機能については明らかになっているが、領域間の機能連関やそれを実現する解剖学的な神経基盤については不明な点が多い。本総説では、島皮質と隣接領野における機能的結合に関する最近の知見について、摂食関連ホルモンであるレプチンの修飾作用と合わせて紹介する。

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© 2013 日本味と匂学会
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