日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
総説
多発性骨髄腫におけるCAR-T細胞療法
石田 禎夫
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キーワード: 多発性骨髄腫, CAR-T, BCMA, GPRC5D
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2023 年 12 巻 3 号 p. 141-147

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抄録

 近年の多発性骨髄腫に対する新薬の開発は目覚ましく,現在11種類の新規薬剤が使用可能となった。現在さらに多くの新規薬剤が開発中であるが,治療効果の点から最も期待されている治療がCAR-T細胞療法である。本邦でも治験が行われ治療効果が報告されているものはBCMAを標的としたidecabtagene vicleucelとciltacabtagene autoleucelである。これらの治療は,プロテアソーム阻害剤,免疫調節薬,抗体薬すべてに不応となった患者に対しても高い奏効率と深い奏効が得られている。また,ハイリスクや髄外腫瘤にも有効と報告されている。しかし残念ながら無増悪生存期間のグラフはプラトーにはならず,多くの患者が再発しているのが現状である。今後早期のCAR-T細胞療法やCAR-T細胞療法後の追加治療などにより,さらに有効な治療へと発展することを期待する。

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© 2023 一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
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