天然有機化合物討論会講演要旨集
Online ISSN : 2433-1856
第60回天然有機化合物討論会実行委員会
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23. Pradimicinのマンノース認識機構の解明と糖鎖染色への応用(口頭発表の部)
*中川 優土井 崇嗣竹腰 清乃理菅原 貴弘赤瀬 大相田 美砂子都築 麗江渡邉 泰典戸村 友彦小鹿 一五十嵐 康弘橋爪 大輔伊藤 幸成
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 133-138-

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抄録

近年,糖鎖は多彩な生物学的機能を持つことが明らかになり,核酸やタンパク質と並ぶ第三の生命鎖として脚光を浴びている。それに伴い,創薬リードあるいは糖鎖機能を解析するツール分子として糖鎖に結合する低分子化合物の需要が急速に高まっている。しかしながら,生物学的に重要な糖鎖の主要構成糖であるD-mannose (Man) と特異的に結合する人工分子の開発に成功した例はない。  その一方で,天然にはManを認識する低分子化合物が存在する。Pradimicin (PRM) 類 (Fig. 1; A) は放線菌由来の抗生物質群であり,Ca2+ 存在下でManと特異的に結合する1,2)。『人工分子に成し得ない「Manの特異的認識」をPRMがいかに実現しているのか』という点には大きな関心が寄せられており,PRMの発見以来約30年間にわたってそのMan認識機構の解析が進められてきた。しかしながら,PRMは高い凝集性を有するうえ,Ca2+ およびMan存在下で複数の複合体および会合体を形成するために (Fig. 1; B),X線結晶構造解析や溶液NMR解析を適用することができず,PRMとManとの結合様式の解析はほとんど進んでいなかった。  我々は,PRMのなかでも凝集性の高いPRM-A (Fig. 1; A) とmethyl -D-manno- pyranoside (Man-OMe) との1:1複合体 ([PRM-A2/Ca2+/Man-OMe2] 複合体) を固体サンプルとして調製し,その構造を固体NMRで解析することで複合体におけるPRM-AとMan-OMeの分子間距離相関を明らかにしてきた3-5)。しかしながら,Ca2+ 結合部位が明確ではなく,PRM-AとManの結合様式の解明には至っていなかった。 Fig. 1 Pradimicinの構造 (A) と複合体形成スキーム (B)

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© 2018 天然有機化合物討論会電子化委員会
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