天然有機化合物討論会講演要旨集
Online ISSN : 2433-1856
第60回天然有機化合物討論会実行委員会
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25. 抗がん活性天然物ヤクアミドBの標的タンパク質同定(口頭発表の部)
*伊藤 寛晃喜多村 佳委櫻井 香里井上 将行
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p. 145-150-

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抄録

【序】  ヤクアミドB (1, Figure 1)は、屋久新曽根産の希少深海海綿Ceratopsion sp.から単離された複雑構造ペプチド系天然物である1)。13アミノ酸残基からなる1の配列は、4つの,-ジアルキルデヒドロアミノ酸構造を含む多数の非タンパク質構成アミノ酸を有し、特異なN末端およびC末端構造(N-terminal acyl group = NTA、C-terminal amine = CTA)を持つ。また、1はJFCR39ヒトがん細胞パネルに対して、既存の抗がん薬とは異なるパターンで強力な細胞増殖阻害活性を示すことが明らかになっている。1は、上述のような構造的特徴と生物活性特性により、新規抗がん薬のシード化合物として有望であるが、天然由来化合物の希少性に加え、構造変換に適した官能基を持たないことから、詳細な生物学的機能解析への展開はこれまで困難であった。当研究室では、銅(I)触媒カップリング反応による,-ジアルキルデヒドロアミノ酸部位の構築を鍵とした1の収束的全合成を達成している2)。本研究では、確立した全合成ルートを基盤として、エナンチオマーを含む様々なケミカルプローブを合成した。さらに、得られたケミカルプローブ群を用いた解析により、1の標的タンパク質としてFoF1-ATP合成酵素を見出した。以下に詳細を報告する。 Figure 1. Structures of yaku’amide B (1), fluorescent probes (2 and 3), and biotinylated probes (4 and 5).

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© 2018 天然有機化合物討論会電子化委員会
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