天然有機化合物討論会講演要旨集
Online ISSN : 2433-1856
第60回天然有機化合物討論会実行委員会
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27. アンフィジノール3の構造改訂と全合成(口頭発表の部)
*若宮 佑真海老根 真琴大石 徹
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 157-162-

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抄録

【研究背景】重篤な真菌感染症である深在性真菌症は,世界で年間約150万人もの死者を出しており1),大きな社会問題となっている。効果的な治療法の確立には,選択毒性が高く,耐性菌の出現しにくい新規抗真菌薬の開発が必要である。アンフィジノール3(AM3)は,渦鞭毛藻Amphidinium klebsiiが生産する鎖状ポリケチド化合物であり2),強力な抗真菌活性を示す3)。作用機構の詳細は未解明だが,AM3は真菌の細胞膜に直接作用して細孔を形成すると推定されており4),耐性菌の出現しにくい抗真菌剤のリード化合物として注目を集めている。AM3の絶対配置の決定は,NMR解析を駆使して1999年に達成された5)。しかし,C2位の絶対配置およびC38–C39位,C50–C51位の相対配置は一義的な決定が困難であり,化学合成による構造確認の必要性が指摘されていた。 Figure1. アンフィジノール3の構造 【研究目的】当研究室では,化学合成に基づいたAM3の構造確認を行っており,合成した部分構造と天然物のNMRデータの比較により,C2位およびC51位の絶対配置が逆であることを明らかにした6,7)。しかし,C38–C39位の相対配置は未確認のままであった。そこで,本研究では,AM3のさらなる部分構造の合成と,天然物の分解実験を行うことで,C38–C39位の相対配置の確認を行うとともに,AM3の全合成を行うことで全立体配置を確認することにした。 【C31–C67部分の合成とNMRデータの比較】C38–C39位の相対配置を確認するために,C31–C67部分に相当する化合物1(提出構造)を合成することにした。また,AM3のC39位の絶対配置は改良Mosher法により決定されたため,信頼性が高いと考えられる。そこで,C32–C38部分が逆の絶対配置を有する2(ジアステレオマー型)を合成し,これらのNMRデータを天然物と比較することにした。 Figure 2. AM3のC31–C67部分の構造

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© 2018 天然有機化合物討論会電子化委員会
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