天然有機化合物討論会講演要旨集
Online ISSN : 2433-1856
第60回天然有機化合物討論会実行委員会
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31. ブラシリカルジン類の不斉全合成(口頭発表の部)
*伊東 龍生鳥塚 誠森 元気吉村 文彦谷野 圭持
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 181-186-

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抄録

ブラシリカルジン類(1–4)は、病原性放線菌Nocardia Brasiliensisから単離・構造決定された化合物群であり、強力な免疫抑制作用および抗腫瘍活性を示す1)。その中でも免疫抑制作用を示す1は、作用機序がシクロスポリンなどの既存の免疫抑制剤とは異なるため、新たな免疫抑制剤のリード化合物として期待されている。本化合物群は、テルペン骨格にアミノ酸側鎖と二糖または単糖が結合した特異なハイブリッド型構造を共通して有する。特にテルペン骨格は、中央B環部が歪んだ舟形配座となるアンチ−シン−アンチ縮環ペルヒドロフェナントレン骨格(ABC環)をとり、本骨格をいかに構築するかが、合成上の最重要課題となる。今回我々は、独自に開発した三度の分子内共役付加反応を基軸とする立体選択的なABC環の構築、アミノ酸部の立体選択的な構築、および立体選択的なグリコシル化反応を経てブラシリカルジン類(1–4)の不斉全合成を達成したので報告する2)。 1. 合成計画  糖およびアミノ酸部が異なる1–4の共通中間体として三環性化合物(ABC環部)6を設定し、6に対応するアミノ酸部の構築と糖の導入を順に行うことで、1–4が合成できると考えた。6のC環は当研究室で開発されたジブロモオレフィン側鎖を有する不飽和エステル7の分子内共役付加反応3)により構築することとした。7は二環性化合物8から炭素鎖を伸長して合成する。8のB環部は、ニトリル側鎖を有するZ

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© 2018 天然有機化合物討論会電子化委員会
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