天然有機化合物討論会講演要旨集
Online ISSN : 2433-1856
第60回天然有機化合物討論会実行委員会
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34. 6-アザ-アルテミシニン群の設計とモジュラー式迅速合成プロセスの開発(口頭発表の部)
*高橋 紀人Bonepally Karunakar Reddy松岡 直弥岩月 正人石山 亜紀穗苅 玲乙黒 一彦大村 智大栗 博毅
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 199-204-

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抄録

【はじめに】 アルテミシニン 1 は赤血球内に侵入したマラリア原虫を速やかにほぼ一掃する薬効を示し、副作用が少ない。1 の水溶性を改善した半合成誘導体アルテスネート 3 は、マラリアの第一選択薬となっている。最近では、アルテミシニン類をがんや他の感染症へ適用する研究も活発になっている。1 の全合成が多数報告されてきたが1)、近年、合成生物学的な手法で 1 を供給できるようになった。Keasling らは生合成前駆体 2 を遺伝子改変酵母で生産した後、四工程の化学変換を経て、1 を半合成している2)。一方、簡便に化学合成できる抗マラリア剤候補として、1 の構造を簡略化した OZ439 (4) 等が開発されている3)。 我々は次世代の抗感染症薬・制がん薬に発展しうる化合物群を設計し、骨格多様化合成するアプローチを展開している4)。本研究では 1 の構成要素を可能な限り簡略化せずに窒素官能基や非天然型置換基を導入した6-アザ-アルテミシニン群を設計した。6位不斉炭素を窒素に置き換える“元素置換戦略”により、①モジュラー式触媒的不斉合成、②置換基の自在導入、③母骨格の水溶性改善を目論んだ。実際にシンプルな三つの構築ブロックから僅か四工程で6-アザ-アルテミシニン骨格を構築する触媒的不斉合成プロセスを開発した5)。 図1. アルテミシニン類の半合成、6-アザ-アルテミシニン群の設計と迅速合成

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© 2018 天然有機化合物討論会電子化委員会
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