天然有機化合物討論会講演要旨集
Online ISSN : 2433-1856
第60回天然有機化合物討論会実行委員会
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P1-3 ジャケツイバラ種子内に寄生するザウテルマメゾウムシの代謝成分
*秋原 由依紙川 小百合原内 優衣太田 恵美根平 達夫大村 尚太田 伸二
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p. 277-282-

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抄録

ザウテルマメゾウムシ(Sulcobruchus sauteri)は、マメ科のつる性植物であるジャケツイバラ(Caesalpinia decapetala var. japonica)の種子に寄主特異的に寄生する体長約 3 mmのハムシ科の甲虫である。卵から孵化した幼虫は種子に穿孔し、子葉部を栄養源に成長する。その後、蛹から成虫へと変態して種子から脱出することが知られている1)。寄主植物であるジャケツイバラは本州、四国、九州、南西諸島に自生する日本原産の植物であり、その乾燥種子は「雲実」と呼ばれ下痢止めや解熱のための生薬として用いられている2)。我々はザウテルマメゾウムシが摂食するジャケツイバラ種子の子葉部からフラノジテルペノイド類であるcaesaljaponin A (1)3)、caesaljaponin B (2)3)、caesalacetal (3)4) および caesaljapin (4)4,5) を単離し、X線結晶解析などに基づいて構造決定を行い第57回の本討論会で報告した6)。その後、これらの種子子葉成分のうち化合物 3 および 4 が比較的強い殺幼虫活性を有していることがわかった。このことから、種子子葉部を摂食して成長するザウテルマメゾウムシはその殺幼虫活性成分を無毒化する何らかのメカニズムを有しているのではないかと考えられた。そこで、ザウテルマメゾウムシ幼虫が自らの分泌物および排泄物を使って作り出す蛹室 (Fig. 1)の化学成分について分析を行った結果、7種の新規ジテルペノイド類を単離し、それらの構造をNMRおよびMS等のスペクトルデータに基づいて解析した (Fig. 2)。今回、これらザウテルマメゾウムシ蛹室由来の新規化合物の構造と関連化合物の生理活性について報告する。

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© 2018 天然有機化合物討論会電子化委員会
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