天然有機化合物討論会講演要旨集
Online ISSN : 2433-1856
第60回天然有機化合物討論会実行委員会
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7. キノロン骨格を形成する糸状菌酵素シクロペナーゼの反応機構解析(口頭発表の部)
*岸本 真治原 幸大石川 格靖山田 陽香恒松 雄太橋本 博Tang YiHouk Kendall N.渡辺 賢二
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 37-42-

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抄録

シクロペナーゼはcyclopenin (1) をviridicatin (2) へと変換する糸状菌酵素として1967年にLucknerによって存在が提唱された酵素である (図1) 1。その正体は未解明のままであったが、近年我々はpenigequinoloneの生合成に関与するヘモシアニン類似タンパク質PngLがシクロペナーゼであることを見出し本討論会で報告している 2, 3 。しかし、ヘモシアニンに似た酵素が二次代謝に関わっている例は他になく、どのようなメカニズムで骨格変化を伴う反応を触媒しているか不明であった。今回、このシクロペナーゼの反応機構について各種実験と計算化学によって検証したのでこれを報告する。 シクロペナーゼの生化学的解析 シクロペナーゼの生化学的な解析のため、PngLおよびAspergillus nidulansが有するホモログAsqIをそれぞれ大腸菌に合成させることを試みた。両遺伝子ともに大腸菌での発現に成功し、その菌体破砕液を用いて酵素活性を調べたところ、PngLは4’-methoxycyclopenin (MCPN, 3) のみを、AsqIは1と3の両方を基質として対応する2および4’-methoxyviridicatin (MVDT, 4) へと変換した。続いて酵素反応の詳細な情報を得るべく両酵素の精製を試みた。PngLは各種発現ベクターの検討を行っても溶解性に乏しかったため少量の獲得にとどまった。一方、AsqIは6xHisタグを利用したアフィニティ精製後、ゲル濾過クロマトグラフィーに付すことで酵素活性を保った状態で必要量を精製することができた。 シクロペナーゼであるAsqIはヘモシアニンに類似したアミノ酸配列を有している。ヘモシアニンとは甲殻類や軟体動物の酸素運搬タンパク質であり、金属結合

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