天然有機化合物討論会講演要旨集
Online ISSN : 2433-1856
第60回天然有機化合物討論会実行委員会
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15. 大腸菌の膜タンパク質膜挿入に必須な糖脂質MPIase類縁体の合成と活性(口頭発表の部)
*藤川 紘樹鈴木 苑実永瀬 良平池田 汐里森 祥子野村 薫西山 賢一島本 啓子
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 85-90-

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抄録

【研究背景】 膜タンパク質は、全ての生物の細胞膜に存在しており、細胞内外の情報伝達や代謝物の輸送など基本的な生命現象に深く関与している。近年、我々は大腸菌内膜における膜タンパク質の膜挿入に必須の因子として、新規な糖脂質MPIase (Membrane Protein Integrase)を発見した1)。MPIaseは、N-アセチル-4-アミノフコース(Fuc4NAc)、N-アセチルマンノサミンウロン酸(ManNAcA)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)の3種のアミノ糖からなるユニットが10回程度繰り返された糖鎖構造に、ジアシルグリセロール(DAG)がピロリン酸を介して結合した構造を持ち、GlcNAcの6位水酸基は全体の1/3程度O-アセチル(Ac)化されていた2)。(図1) 本研究では、MPIaseの最小活性構造、および膜タンパク質膜挿入機構の解明を目的に、MPIaseの最小構成単位である3糖ピロリン脂質[mini-MPIase-3]およびその類縁体の化学合成を行い、それらの膜タンパク質膜挿入活性を評価した。 【MPIase類縁体の合成】 mini-MPIase-3の合成では、不安定なピロリン酸を合成の終盤に形成する事とし、3糖リン酸体とリン脂質試薬の縮合反応で構築した。(図2) 3糖の保護基には、合成の最終段階でGlcNAc6位のAc基、DAGおよびピロリン酸存在下、温和な条件で脱保護可能なBn系の保護基を用いる事とした。3糖は比較的構築しやすいフコサミニド結合で分割し、Fuc4N

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© 2018 天然有機化合物討論会電子化委員会
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