鉄と鋼
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論文
溶剤抽出フラクショネーション法による構造分析を用いた石炭・粘結材のコークス化挙動予測の試み
蘆田 隆一高島 健人三浦 孝一奥山 憲幸濱口 眞基宍戸 貴洋
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2014 年 100 巻 2 号 p. 127-133

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Synopsis:

Steel industries need to increase the use of low-grade coals in coke making due to the recent rapid increase in coking coal price. To do so, it is necessary to effectively use binders, and it is desired to develop a theory on how to blend coals and binders effectively. In this work the coal fractionation method proposed by the authors was applied to characterize coals and binders. Nine different-rank coals and two binders (HPC developed by Kobe Steel and ASP) that were heat-treated at 400°C in advance were separated into three fractions having different molecular weight by solvent extraction at 350°C. The chemical and physical properties of each fraction were found to be almost independent of the coal and binder types. Based on these results, it was clarified that the thermoplastic behaviors of the mixture of several coals and binders and the strength of their resulting coke can be correlated to the relative abundance of the fractions in the mixture. It is therefore possible to determine an appropriate blending ratio of coals and binders to obtain high-strength coke. This approach can be expected as a new blending theory which is applicable even to the low-grade coals that have not been used and newly-developed binders.

1. 緒言

鉄鋼業において主流となっている高炉法を用いた製鉄プロセスでは,コークスを製造するために原料炭の使用が不可欠であり,2011年には世界で7億トン超の原料炭からコークスが製造され,15億トンにも及ぶ粗鋼生産を支えた1)。日本においても,2011年,3.3千万トンを超えるコークスが鉄鋼業において消費されており2),今後もコークスを安定的に生産することが鉄鋼業にとって重要な課題の一つであるといえる。しかし,近年,原料炭供給の逼迫に伴う原料炭価格の高騰により非微粘炭使用割合の増加が求められている。さらに長期的には良質な原料炭の枯渇の問題により,これまで利用していない非粘結炭,亜瀝青炭,褐炭などの劣質で安価な石炭をコークス原料として利用しなければならなくなる可能性がある。

一般的に,高炉に要請される十分な強度を持ったコークスを室炉式のコークス炉で製造するためには,原料の石炭がコークス化時に適度に軟化溶融することが必要であると言われている。石炭の軟化溶融性を評価する手法としては,ギーセラープラストメータ法(JIS M 8801)が古くから用いられ,同法によって求められる最高流動度(MF)等のパラメータとコークス強度との間には,相関があることが知られている3,4,5)。近年,より定量的な物理物性値を用いた軟化溶融挙動の評価も検討されている6,7)

コークス原料に占める劣質な石炭の割合は今後ますます増加すると予想されるが,コークス原料中の劣質な石炭の割合を高めると,コークス製造時の石炭の軟化溶融性が阻害され,十分なコークス強度を得ることできない。そこで,しばしばピッチなどの粘結材の添加によって石炭の軟化溶融性を補填しコークスの強度低下を防ぐ方法が採られる。日本のコークス製造においては,いくつかの指標をもとに配合時の値がすべての指標を満足するように石炭の配合割合および粘結材の添加量をコントロールしている。しかし,それらの指標は必ずしも石炭や粘結材の構造特性に深く基づいたものばかりでなく,今後劣質な石炭の使用量の増加によって粘結材の使用量が従来より大幅に増加した場合,また,これまで利用されていない劣質な石炭や新たに開発された粘結材を使用する場合には,従来の指標の適用に限界が生じる可能性がある。今後ますます劣質な石炭の使用割合が増えるなか,より効率的に粘結材を利用せねばならず,そのためには,粘結材,石炭の構造特性に基づいた合理的な新たな配合理論が必要である。

石炭の軟化溶融性は,石炭に元々含まれる比較的低分子量成分のγ成分8,9,10),あるいは石炭の熱分解によって生成する低分子量成分のメタプラスト11,12,13)の量と深く関係すると言われている。Takanohashiらは,二硫化炭素–N–メチル–2–ピロリジノン混合溶媒を用いて,軟化溶融温度まで加熱した石炭を抽出し,その抽出率が石炭の流動性と良好に相関することを示した14)。また,Miyazawaら15,16),Sakurovsら17)やKumagaiら18)は,溶融中の石炭のin-situ 1H-NMRの緩和時間測定により,運動性の高い成分(mobile成分)の割合の変化を追跡し,その挙動が石炭の軟化溶融挙動とよく一致することを報告している。Saitoら19)は,高温in-situ 1H-NMRを利用して,軟化溶融中の石炭のmobile成分の領域が変化していく様子のイメージングに成功している。このように,石炭の軟化溶融性を議論する上では,軟化溶融がまさに起こっている状態で,上記のような低分子量成分を定量することが重要であると言える。

我々は,これまでに,350°C以下における無極性溶剤による石炭の抽出により,石炭を分解することなく分子量の異なる複数の成分に分離する溶剤抽出フラクショネーション法を提案し,石炭の新たなキャラクタリゼーション法となりうることを示した20,21)。極性溶剤を用いた抽出法では,溶剤と石炭分子の強い化学的相互作用を利用して,高い抽出率を実現しているが,その強い相互作用のため抽出後の石炭由来成分(抽出物,残渣)と溶剤との分離が困難である。一方,提案法では無極性溶剤を用いるため石炭由来成分と溶剤の分離が容易であり,物質収支がとれていることを確実に確認できる上に,得られた各成分を溶剤の影響を受けることなく分析することができる。極性溶剤と石炭分子の化学的な相互作用を利用しない提案法では,熱エネルギーによって石炭分子の凝集構造を緩和することで,凝集構造に取り込まれた低分子量成分の大量抽出を可能としている。

本研究では,コークス製造における粘結材の利用方法の最適化を図るため,提案法を粘結材やそれらを加える石炭中の低分子量成分の定量に用い,それらの配合試料のコークス化挙動,コークス性状との関係を調べることで,粘結材を合理的に添加する新たな手法の確立を目指している。前報22)では,提案法を用いて数種の石炭と粘結材を分子量の異なる成分に分画し,石炭(主に1種)に粘結材を任意の割合で配合した試料の軟化溶融挙動と配合試料中の各成分の構成割合との相関を示し,同法が石炭と粘結材の配合試料の軟化溶融挙動を合理的に予測するのに有効であることを示した。本稿では,提案する手法によって軟化溶融挙動のみならず製造されるコークスの強度予測まで可能かどうかを多数の配合試料のコークス化試験を実施することで検討した。また,前報よりも多種の石炭を対象とし,本法が幅広い炭種へ適用できるかを確認するとともに,実際のコークス製造時のように複数炭種を配合した試料を対象とすることで,石炭そのものの配合理論としての可能性を検討した。

先述のように軟化溶融が進行する状態でのキャラクタリゼーションが重要であることから,本手法では,熱分解や軟化溶融が開始する付近の400°Cまで加熱し急冷した石炭および粘結材をフラクショネーション実験に供した。急冷により分解反応の進行は止めることができるが,冷却後,石炭分子は凝集構造をとると考えられる。しかし,溶剤抽出フラクショネーション法ではその凝集構造を再び熱的に緩和し低分子量成分を抽出できることから,ほぼ400°C時点の状態を評価することができると考えられる。

2. 実験

2・1 石炭および粘結材のフラクショネーション

石炭試料としてTable 1に示す強粘結炭B,C,D炭,準強粘結炭F炭,非微粘結炭A,E炭,一般炭G,H,I炭を用いた。また,粘結材として亜瀝青炭等を無極性溶剤で熱時抽出し製造した高性能粘結材(HPC)23,24)とアスファルトピッチ(ASP)を用いた。これら石炭,粘結材を一度400°Cまで不活性ガス中で加熱しその後急冷した試料をフラクショネーション実験に供した。

Table 1. Ultimate and proximate analyses of coals and binders used in this study.
SampleUltimate analysis [wt%, d.a.f.]Atomic ratio [-]Proximate analysis [wt%, d.b.]log MF [-]
CHNSO (diff.)H/CO/CAshVM
A91.84.41.90.61.30.580.019.116.6Not melted
B90.54.61.40.43.10.610.039.623.01.50
C90.24.62.00.62.60.620.0210.321.22.02
D89.64.71.60.33.80.630.0310.521.81.82
E87.04.82.00.65.70.660.0510.028.01.20
F85.75.42.20.66.00.760.058.035.53.68
G83.95.91.90.67.70.850.079.040.02.17
H83.95.91.90.67.70.840.079.840.42.51
I83.45.52.00.58.60.790.087.535.91.11
HPC85.05.62.00.50.60.790.012.139.5> 4.78
ASP85.15.61.55.92.00.790.020.339.7> 4.78

抽出にはFig.1に示す溶剤流通型の抽出装置を用い,溶剤として無極性溶媒である1–メチルナフタレンを用いた。本研究では抽出温度を350°Cとした。操作の詳細は既報20,21)のとおりであるが,一度の抽出操作で,高温で抽出され室温においても溶剤に可溶であるフラクション(Soluble),高温で抽出され室温では固体として析出するフラクション(Deposit),高温抽出温度でも抽出されないフラクション(Residue)に石炭が分離される。Solubleについては,溶剤をロータリーエバポレータで除き固体として回収したのち,他のフラクションとともに各種分析に供した。

Fig. 1.

 Schematic of experimental apparatus used for extraction in a flowing solvent.

各フラクションの分析として,元素分析(CHNコーダー,Yanako;MT-6),分子量分布測定(レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析計,Shimadzu/Kratos;KOMPACT-MALDI-II),熱機械分析(Shimadzu;TMA-50)を実施した。熱機械分析では,内径5.2 mm,高さ6.0 mmのセル内に厚さ約1 mmに試料を充填し,それに直径4.3 mmの円柱状の石英製ロッドによって0.098 Nの一定荷重を加えながら,窒素雰囲気下で10°C/minで600°Cまで加熱し,試料が軟化溶融してロッドが試料層に押し込まれる際のロッドの位置変化を連続的に測定した。

2・2 石炭/粘結材配合炭のコークス化挙動評価およびコークス化試験

Table 1に示す石炭,粘結材から,Table 2に示す33種類の配合試料を調製した。配合試料は,3~5種類の石炭を配合したもの,あるいは,それらに1種の粘結材を加えたものとなっている。これらの配合試料と単味炭について,ギーセラープラストメータ法およびジラトメータ法(JIS M 8801)による試験により熱軟化溶融挙動および膨張挙動の評価を行った。

Table 2.

 Blending ratios of the coals and binders (Mass ratio).

また,同配合試料あるいは単味炭約18 kgを充填密度が800 kg/m3となるように1斗缶に充填し3 K/minで1050°Cまで加熱してコークス試料を調製した。得られたコークス試料について,ドラム法(JIS K 2151)を用いた回転強度試験を実施した。

3. 結果と考察

3・1 石炭および粘結材のフラクショネーション

Table 1に示す石炭および粘結材を400°Cまで加熱処理した後に溶剤抽出フラクショネーション法で分離した時の各フラクションの割合をFig.2に示す。なお,400°Cまでの熱処理後の固体収率は,A,B,C,D,E,F炭で97%-d.b.以上,G,H,I炭で約94%-d.b.であった。抽出される比較的低分子量の成分(Soluble,Deposit)の割合はF炭で58.0%,A炭で23.8%などと石炭によって大きく異なった。また,粘結材は石炭よりも抽出成分の割合が大きく,ASPでは80.8%,HPCでは61.5%にも達した。このように,石炭と粘結材の間だけでなく,石炭間,粘結材間でも,フラクションの構成比が大きく異なった。

Fig. 2.

 Composition of the coals and binders.

Fig.3に各フラクションの原子比H/C比とO/C比の関係を示す。分画前の石炭と粘結材の元素組成はその種類によって異なるが,その原料間の差に比べると,SolubleやDepositは原料の種類にあまり依らない元素組成をもつことがわかる。原子比H/C比は,おおよそSoluble,Deposit,Residueの順に大きく,軽質な成分ほど水素に富んでいることが確認できる。なお,前報22)で報告したように,400°Cの熱処理を施していない原料石炭から得られる各フラクションの原料間の差より,400°Cの熱処理を施した石炭から得られるフラクションの原料間の差のほうが小さく,400°Cまでの熱処理によって熱分解の進行度をある程度合わせることで,より性状の揃ったフラクションに分画できることがわかっている。

Fig. 3.

 Elemental compositions of coals, binders, and their fractions on the H/C vs. O/C diagram.

このように各フラクションの元素組成が原料の種類にあまり依らないことがわかったが,分子量分布,熱軟化溶融挙動も,その由来が石炭か粘結材かにかかわらず,各フラクション,特にSolubleやDepositで,ほぼ同じであることがわかった。Fig.4に,各フラクションの質量スペクトルを示す。図より,どの試料から得られたSolubleの質量スペクトルも分子量300程度に鋭いピークを有することがわかる。DepositはSolubleよりもブロードな質量スペクトルであるが,原料によらず分子量800前後にピークを有した。Residueは,Depositよりも大きい分子量範囲に分布を有しており,Soluble,Deposit,Residueの順に,より低分子量の成分から成ることが確認できる。このように,特にSoluble,Depositで分子量分布が原料に依らないことが明らかとなった。

Fig. 4.

 Mass spectra of the fractions.

Fig.5に各原料および各フラクションの熱機械分析曲線を示す。図の縦軸は,ロッドの位置変化を試料層の初期厚さで除して規格化したものである。ほとんどのSolubleは100~200°Cという比較的低温で顕著な軟化溶融性を示し,その挙動はもとの石炭,粘結材の種類にあまりよらなかった。Deposit はいずれの石炭,粘結材のものであっても同様に400°C付近以上で軟化溶融した。一方,いずれの石炭,粘結材のResidueも全く溶融性は示さなかった。フラクション間の挙動の差に比べると,SolubleとDepositの挙動は原料の種類にあまり依らなかった。このことは,これらのフラクションの元素組成や分子量分布が原料に依存しなかったことと矛盾しない。また,400°C熱処理を施していない原料石炭から得られる各フラクションの原料間の差よりも,400°C熱処理を施した石炭から得られる各フラクションの原料間の差のほうが小さかった22)

Fig. 5.

 Comparison of thermomechanical curves of the fractions. (Online version in color.)

以上より,石炭,粘結材で,同じフラクションの割合は異なったが,同じフラクション(とくに軟化溶融するSolubleやDeposit)の性状は原料によらず似通っていることが明らかとなった。よって,石炭,粘結材のコークス化挙動は各フラクションの割合の違いによって説明できる可能性が示唆された。

3・2 石炭/粘結材配合炭のコークス化挙動とフラクション構成割合の関係

溶剤抽出フラクショネーション法による石炭,粘結材のキャラクタリゼーション結果から,石炭,粘結材のコークス化挙動は各フラクションの割合の違いによって説明できる可能性が示唆された。そこで,石炭,あるいは石炭/粘結材の配合試料の各フラクションの構成割合と,コークス化挙動,コークス強度との関係を調べた。

Fig.2の単味試料の各フラクションの構成割合を用いて,Table 2に示す33種の配合試料について配合比にもとづき計算した各フラクション構成割合をFig.6に示す。これら配合試料の各フラクション構成割合と,配合前の単味の石炭,粘結材の各フラクション構成割合を,Fig.7の三角図上で比較した。単味の石炭,粘結材の構成割合が種類によって大きく異なり三角図上に広く分布しているのに対して,配合試料の構成割合を表すプロットは比較的狭い範囲内にあるのがわかる。配合試料の組み合わせや配合比は,今回調製するコークスがある程度の強度を有するように,実炉で従来使用されている指標にもとづき予め決定したものである。その指標とは全く異なる本研究の手法を用いて,ある程度の強度を得られるとわかっている配合試料の各フラクション構成割合を求めたところ,比較的近いものになったことは,コークス強度予測を目指した本手法の妥当性を示唆している。

Fig. 6.

 Relative abundance of each fraction in blended coals prepared. (Online version in color.)

Fig. 7.

 Compositions of coals, binders, and blended coals plotted on a ternary diagram. (Online version in color.)

三角図を用いて配合炭あるいは単味炭の最高流動度(log MF)と各フラクションの構成割合の関係を調べた(Fig.8)。3つのフラクションの構成割合と最高流動度に相関が見られ,原料によらずこの3つのフラクションの割合によって軟化溶融挙動が決まる可能性が示唆された。最も重質なResidueの割合が小さいほど最高流動度が大きい傾向が見てとれる。Fig.5に示す熱機械分析の結果より,最高流動温度では,Soluble,Depositともに完全な溶融状態であり,それらと溶融しないResidueの割合がほぼ最高流動度を支配していると理解できる。

Fig. 8.

 Contour plot of log MF on a ternary diagram of the three fractions.

Fig.9に,三角図を用いて配合炭あるいは単味炭の膨張率と各フラクションの構成割合の関係を示す。図より,3つのフラクションの構成割合と膨張率に相関が見られ,原料によらずこの3つのフラクションの割合によって膨張率が決まる可能性が示唆された。最も重質なResidueの割合が小さいほど膨張率が大きく,同じResidueの割合で比較すると,Depositの割合が大きいほど膨張率が大きい傾向が見られた。SolubleとDepositを個別に加熱したときの溶融状態を観察したところ,Solubleに比べるとDepositのほうがかなり激しく膨張したことから,膨張しないResidueの割合が同じ場合,膨張率に大きな差のあるSolubleとDepositの比が配合炭の膨張率を支配すると考えられる。Fig.9の膨張率の分布は,Fig.8の最高流動度の分布とは明らかに異なることがわかる。この結果は,最高流動度と膨張率を支配する因子が明らかに異なることを示しているが,本研究の手法では,3つのフラクションの割合によってその両方を見積もることが可能であることが示された。

Fig. 9.

 Contour plot of dilatability on a ternary diagram of the three fractions.

Fig.10に,三角図を用いて配合炭あるいは単味炭から調製したコークスの強度(DI)と各フラクションの構成比の関係を示す。図より,3つのフラクションの構成割合とコークス強度に相関が見られ,Soluble:30%,Deposit:12%,Residue:58%あたりで最大のコークス強度になった。Fig.10のコークス強度の分布は,Fig.8, 9の最高流動度,膨張率の分布とはまた異なり,高強度コークスを得るためには適切な最高流動度,膨張率を有する配合炭を調製する必要があるといえる。以上より,3つのフラクションの割合を調整して石炭および粘結材を配合することにより,望ましい強度のコークスが得られる可能性が示された。

Fig. 10.

 Contour plot of DI on a ternary diagram of the three fractions.

4. 結言

溶剤抽出フラクショネーション法によって,9種類の石炭および2種類の粘結材を,原料種に性状が依存しない複数のフラクションに分離し,その構成割合から石炭と粘結材の配合試料の軟化溶融挙動や得られるコークスの強度を合理的に予測できることを示した。この手法により劣質炭の使用割合の増加に対応して粘結材を効率的に利用できるようになるだけでなく,同手法は使用する種類が拡大しつつある石炭そのものの新たな配合理論としても期待される。

本研究はNEDO事業「環境調和型製鉄プロセス技術開発(COURSE50)」の一環で実施されたものである。

文献
 
© 2014 一般社団法人 日本鉄鋼協会

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