鉄と鋼
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論文
小型冷間模型内に形成したレースウェイのX線CTによる三次元構造測定
埜上 洋河合 秀樹八木 順一郎
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2014 年 100 巻 2 号 p. 256-261

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Synopsis:

Raceway zone in blast furnace is important region which closely relates to distributions of reducing gas and thermal energy, combustion efficiency of auxiliary reducing agents, degradation of coke particles, and so on. Although numerous works have been made on raceway phenomena, there still are ambiguities such as three-dimensional shape, structure, internal motion, etc.. This paper developed a new method to measure three-dimensional shape and structure of raceway by utilizing X-ray computed tomography. This method used differences between two successive CT images to distinguish regions with and without particle motion. The raceway shape was determined by the boundary of these regions. This method was applied to cold model experiments with alumina spheres of 3.2 mm in diameter. With this measurement, three-dimensional shape of the raceway was successfully revealed, and particles in the upstream region of tuyere actively moved. The results obtained by different measuring intervals show that the region in which the particles actively moved was surrounded by the region with relatively slow particle motion. It is expected that the discussion on the measuring interval and the particle size enables to classify spatially the raceway zone by the rapidity of particle motion.

1. 緒言

高炉内に高温高速の衝風を吹き込む羽口の前には,炉内コークス粒子群の衝風の持つ運動エネルギーによる流動化および燃焼・消費により,レースウェイ領域が形成される。レースウェイ領域内は,周囲のコークス層と比較して空隙率が高く,その内部でコークス粒子が旋回循環する。レースウェイ内部でのコークスの燃焼により,高炉内での反応や相変化を推進する還元ガスおよび熱エネルギーが発生し,還元ガス流により炉内上部の領域に供給されるが,粒子層内のガス流れは層構造に影響されるため,炉下部における還元ガスの流通経路はレースウェイの構造に依存する。また羽口から吹き込まれた微粉炭の燃焼は,高速の衝風内で,羽口内部およびレースウェイ領域内部という限られた領域内で進行するため,微粉炭粒子の燃焼帯内の滞在時間や微粉炭の温度やガス雰囲気の履歴はレースウェイの構造に依存するものと考えられる。さらにレースウェイ内におけるコークス粒子の循環は,レースウェイ内の粒子同士,また循環粒子とレースウェイ空間の外壁部を構成する粒子の衝突を生じさせ,この際の機械的な衝撃が粒子の一部を破壊してコークス粉を発生させる。レースウェイ内で発生したコークス粉が炉内に蓄積すると炉内の通気性が悪化して操業不良を引き起こすことが指摘されている。レースウェイ内のコークス粒子の循環運動もまたレースウェイの構造に強く依存すると考えられる。すなわち,レースウェイの空間構造は高炉内部の状況と密接に関与する重要な因子である。

このような背景の下,レースウェイの空間構造については,これまで種々の測定法が提案され,冷間模型,小型燃焼炉および実炉での測定に供されてきた。その一つは羽口からレースウェイ奥に向かってロッドを挿入し,その挿入量と推力により奥行きを測定する方法である。この方法は直感的で,実炉や試験燃焼炉内でのレースウェイ1,2,3)を対象として用いられているが,羽口へのロッド装入時に送風量が変化したり,挿入されたロッドによりレースウェイ内の粒子運動が影響を受けるなどの問題がある。送風量の変動に対応する一つの方法として,測定対象と隣接した羽口からゾンデを斜行させて挿入し,対象レースウェイの状態および構造を測定する斜行羽口ゾンデの報告例もある4)。ロッド挿入による測定は,主にレースウェイの奥行きの測定に用いられるが,他の方向を含むレースウェイ空間の形状の測定に対しては,軽量アルミナボールを送風と共にレースウェイ内に吹き込んで充満させ,冷却した後にレースウェイ周囲の充填層を解体してレースウェイの形状を測定する方法が提案されている。この方法は充填層の解体作業の必要があることから,適用対象が小型の燃焼炉となっている5,6)。本法もレースウェイ内にボールを充填させる際の流動・運動の阻害が問題となる。粒子運動を阻害せずにレースウェイ形状を測定するには非接触による測定法が必要である。Formosoら7)は,羽口からレーザー光を入射し,その反射応答によりレースウェイ深度を測定する方法を報告している。またMatsuiら8,9)は,より透過性に優れたマイクロ波を羽口から導入し,その反射波によりレースウェイ深度を測定する方法を開発している。

上記の測定の対象は,レースウェイ領域の形状であるが,レースウェイの形状に加えて内部の運動状況や空間率分布を測定する試みが,冷間模型を対象として行われている。これらの測定においては,薄型直方体の充填層内部に単一ノズルあるいはスロットノズルからの気流導入によってレースウェイを形成する。充填容器の前後面が透明素材で構築されており,この面を通して内部の充填粒子の運動状態・光の透過状態を観察することでレースウェイの形状を測定するものである10,11,12,13,14,15,16,17)。この方法はレースウェイ内部の空間や運動の分布を得られるという利点があるものの,レースウェイ両側の壁の存在により,粒子摩擦や気体流動制限などの影響を受けてしまう点が問題となる。Nozawaら18)は,薄型直方体充填層内に形成させたレースウェイ内に,前後壁からプローブを挿入し,プローブ間のレーザー光透過率測定することで,レースウェイ内部の詳細な空隙率分布の測定に成功している。この方法においてもプローブの挿入による攪乱や側壁の影響を受ける。

上述のように,これらの測定法はいずれも測定条件や測定情報に関して何らかの制約を受けているものの,これらの結果により送風条件および充填条件に基づいてレースウェイの奥行き,幅,高さといった形状の推定式の提案へと結びついている5,10,11,12)

上にも述べたように,レースウェイの関与する現象は,レースウェイの形状のみならず,内部の分布状態や運動と密接に結びついている。近年では,計算機科学の進展に伴い,流体力学・機械力学的な数値解析によりレースウェイ内部の状況を推定する試みがなされるようになっている。これらの試みは充填粒子群の取り扱いにより二つに分類される。一方は充填粒子群を一つの連続体としてとらえるもので15,17,19),その内部の応力状態を推定する際に,充填層内部を流通する気体の抗力を考慮して,一定の条件を満たした領域をレースウェイと定義するものである。他方は,充填層を構成する多数の粒子の運動を追跡する方法(離散要素法・離散粒子法など)を用いる物で20,21,22,23,24,25,26,27),粒子の運動方程式群と流体の運動方程式を連立して解くことで,レースウェイ形状および内部の粒子運動を得ることが出来る。これらの手法はいずれもレースウェイ内の現象に関する有用な情報を与えるものであるが,レースウェイの測定実験自体が種々の制約の下に行われていることもあり,実炉や実験装置で形成されたレースウェイとの比較検討が十分になされたとは言えない状況にある。

本研究は,冷間模型内に形成したレースウェイの三次元形状および空間構造を非接触で測定する方法としてX線CT装置の応用を試みた。X線CTによる粒子層内の分布測定として,充填層内を気流と向流流通する液体のホールドアップの測定28,29)や,高速CTスキャナーを用いた気泡流動相内の気泡相形状測定30,31)等が挙げられる。これらの測定においては,粒子層内の物体の存在あるいは密度分布に基づいてそれぞれ目的の項目を測定しているが,本研究で対象とするレースウェイについては,粒子の運動の有無を検出する必要があることから,新たなデータ処理法を開発してレースウェイの三次元構造の測定を行った。

2. 実験およびデータ処理

Fig.1にレースウェイの形状測定に用いた冷間模型の装置図を示す。レースウェイの形状測定に使用した充填層は幅60mm×奥行き150mm×高さ500mmの直方体容器内に,粒子を充填して構成した。また,装置底面から100mmの高さで幅方向の中心面上に,外径6mm×内径4mmのパイプを一方の装置側壁から水平に挿入して羽口とした。羽口の充填層内部への突き出し量は10mmである。容器内に所定の条件で粒子を充填した後,所定流量の窒素ガスをボンベから羽口に供給して層内にレースウェイを形成させた。Fig.2に装置の全体図を示す。上記の充填層を羽口の中心軸が,X線CT装置のガントリーの中心軸と平行となるようにして,テーブルの上に垂直に設置する。このように設置することで,CT画像 (粒子層の断面画像)の撮像面は羽口の中心軸と直角に設定されることになる。CT撮影は,冷間模型を設置したテーブルを水平かつガントリー中心軸方向に,所定の距離ずつ移動させながら行った。

Fig. 1.

 Schematic diagram of cold-model for raceway measurement.

Fig. 2.

 Schematic diagram of experimental apparatus.

X線CT装置により得られた粒子層の断面画像の一例をFig.3に示す。Fig.3(a)および(b)は,それぞれ羽口先端から羽口根元方向に3.5mm,奥行き方向に1.5mmの位置で撮影したものである。使用したX線CT装置により得られる断面画像は,断面内の物体の密度を256階調で表したものであり,白色ほど密度が高く,黒色ほど密度が低く表されている。この断面内の粒子像内では,画像のほぼ中央部に羽口が設定されており,Fig.3(a)では羽口の断面が明瞭に見て取れる。粒子側の像について見ると,いずれの位置においても,羽口から離れた部分においては円形の粒子の断面が確認できるが,羽口の中心軸付近には,粒子の外形が不明瞭になっている部分があることが分かる。この領域はCT画像を撮像している時間の間に粒子が運動することによって粒子の輪郭が不鮮明になったものと考えられる。しかし,撮影画像内の粒子の輪郭の明瞭さを定量的に抽出することは困難であり,以下に示す手順でレースウェイの領域を抽出することとした。

Fig. 3.

 Examples of CT image of raceway zone.

レースウェイが形成されている断面内には,粒子が静止している部分と,粒子が運動している部分が存在している。同じ断面を異なる時間で撮影した複数の断面画像では,粒子が静止している部分では,個々の粒子位置には変動が無いはずであり,粒子の運動領域では常に粒子位置が変化するため,粒子画像が変化する。レースウェイ形成領域の同一断面を3sの時間間隔で撮影した粒子層の断面画像の一例をFig.4に示す。(a),(b)二つの画像を比較すると,羽口から離れた領域では粒子や空間が動いていないのに対して,羽口近傍は濃淡に変動が出ていることが分かる。これら二つの画像の階調の差分を取ったものがFig.5である。羽口周囲の領域にFig.4(a)と(b)の差が生じている部分が集中して存在していることが分かる。予備実験(一部の領域のみを流動化させた充填層に対する測定)から,この差分画像の明度の高い領域が粒子の運動領域に対応することが確認されており,この差分画像の明度の高い領域の外形を結んで,この断面内のレースウェイの粒子運動領域とした。尚,CT画像の構成に当たっては,粒子の静止領域であっても粒子の運動領域を通過したX線の情報が含まれること,また装置の微細な振動などにより,完全な静止物体を撮影した画像であっても画像が完全に一致することはない。そこで,送風を行わない固定層の断面を連続して撮影した二枚の画像の差分画像について明度のヒストグラムを取り,画像内で差の生じる領域が1%以下となる明度を閾値として粒子の運動領域,すなわちレースウェイの外形と定義した。

Fig. 4.

 CT images taken at the same plane and different time.

Fig. 5.

 Differential image betweenFig.4 (a) and (b).

本実験では,CT画像の撮像間隔を3sおよび600sの二種類に設定した。前者の撮像間隔3sは,使用したX線CT装置において設定した撮像条件で連続的に複数画像を撮像可能な最短の時間間隔となっている。

3. 結果と考察

X線CT装置によるレースウェイの空間構造の測定は,充填粒子として平均粒径3.2mm,密度3750kg/m3のアルミナ球を用いて行った。粒子の充填量は,装置底部からの充填高約0.21mであり,レースウェイ形成前の初期空隙率は0.418[-]である。羽口から吹き込む窒素の流量は2.40×10−3および2.83×10−3Nm3/sの二水準であり,羽口先端での吹き込み速度は,それぞれ190および225m/sとなる。また断面画像の撮像間隔は3および600sの二種類に設定した。

Fig.6および7にガス流量2.40×10−3および2.83×10−3Nm3/sにおいて測定したレースウェイの形状を示す。断面画像の撮像間隔は3sである。Fig.6は鳥瞰図であり,図中のZ軸は羽口の中心軸に一致しており,原点は羽口を設置した壁面上に設定しており,X軸およびY軸は水平および鉛直方向である。図中に表示された各軸の長さは50mmに相当している(Z軸は視認性のため拡大してある)。Fig.7は羽口中心軸を含む垂直・水平断面内での粒子の運動領域の形状を示している。断面撮影は羽口側の装置壁から1.5mmの位置から5mm間隔で行った。Fig.6(a)はガス流量2.40×10−3Nm3/sの,また(b)は2.83×10−3Nm3/sで得られた粒子運動領域の形状である。各撮像位置における領域抽出は一組の画像のみで行っているため若干の変動があるものの,いずれのガス流量においても,粒子の運動領域の形状は,上下方向では羽口中心軸から上側に大きく,左右の広がりは同程度となっている。粒子流動領域の形状については,上縁は壁面付近からある程度の奥行きまでは同程度の高さとなっているのに対して,下縁は壁面から羽口先端15-20mm程度まで下方に拡大し,その後レースウェイの奥行きに向けて徐々に縮小している。奥行き方向への粒子運動領域の縮小は,羽口中心軸のやや上の部分に向けて縮小している。また粒子の運動領域は,羽口先端からガス流の上流側の壁面まで広がっている。すなわち,レースウェイ内の粒子の循環は,羽口先端から奥行き方向の領域のみではなく,羽口先端から壁側にまで回り込んでいることが推測される。これら二条件で得られた形状を比較すると,奥行きに関しては,2.40×10−3Nm3/sで36.5mm程度に対して2.83×10−3Nm3/sで46.5mm程度,羽口高さにおける水平方向の広がりは,低流量で約40mm,高流量で装置幅全体に亘っていた。羽口高さから下方向の広がりは低流量および高流量で15および25mm程度であり,上方向の広がりはそれぞれ35および45mm程度となっており,特に壁面付近の拡大が大きかった。すなわち,得られた粒子運動領域の形状は,ガス流量が大きい条件の方が,奥行き,幅および高さ共に領域が拡大している。流量2.83×10−3Nm3/sの条件では,粒子の運動領域が装置の前後壁に達して,その影響を受けているため直接の比較は出来ないが,ガス流量の増大と共にレースウェイが拡大する傾向は過去の報告と一致している。

Fig. 6.

 Measured raceway shapes in different gas flow rates.

Fig. 7.

 Effect of gas flow rate on raceway boundaries in horizontal and vertical planes.

Fig.8および9にガス流量2.40×10−3Nm3/sにおいて異なる撮像間隔で測定した粒子運動領域の形状を示す。Fig.8(a)は撮像間隔3s,(b)は600sのものである。異なる撮像時間間隔で得られた粒子運動領域を比較すると,撮像間隔600sでの運動領域は3sでの領域を包み込むような形状となっている。撮像間隔の違いは,その時間間隔で検出できる粒子の運動の度合い,すなわち粒子の運動速度の違いを表している。撮像間隔により検知可能な粒子の運動の度合いは以下のように考えることが出来る。複数のCT画像の差異が同一地点での粒子の有無によって形成されるものと考えると,撮像時間間隔に粒子がその直径程度以上移動した場合に粒子の運動を検知できると見なすことが出来る。すなわち,本実験で使用したアルミナ球の径は3.2mmであるから,1mm/s程度以上の速度をもつ粒子を検知することになる。本実験の羽口先ガス流速の一様気流中にアルミナ球を投入し,粒子が本実験で得られるレースウェイ奥行き程度の距離を移動する間に到達する速度を求めると,2から3m/s程度となる。この速度は本実験において理想的な条件下で到達可能な最高速度であり,撮像間隔3sではその1/1000程度までの粒子運動を検出可能であると考えられる。尚,実際のレースウェイ内には多数の粒子が存在し,ガス流速の分布もあることから,粒子の最大速度はこれよりもかなり小さくなっていると予想されるが,この撮像間隔で測定される領域内では,粒子は比較的活発に運動しているものと考えられる。一方,撮像間隔600sで測定される粒子の運動領域は,さらに1/200程度までの極低速で運動する粒子の範囲を測定することになる。これらのことを考え合わせれば,撮像間隔3sで測定された領域内では粒子は活発に運動しており,間隔3sと600sでの測定領域に挟まれた領域は粒子の運動が比較的緩慢に生じているものと考えられる。粒子の活動の活発な領域はノズル先端付近でもっとも大きな広がりを見せ,水平方向にノズル先端から26.5mm付近まで達するとともにノズル上流の壁面側にも広がりを見せるが,その領域は壁近傍では縮小している。これに対して緩慢な運動の領域はノズル先端から36.5mmに達すると共に,ノズルの背後においてもノズル先端付近と同程度の拡がりを見せている。またいずれの領域もノズル軸を含む水平面よりも上側が下側よりも大きな拡がりを見せた。これらは,すなわち,本条件で形成されたレースウェイの内部では,羽口中心軸の周りに高速で粒子が運動する領域が形成され,その周囲に粒子が比較的緩慢に運動する領域が形成されていることを示している。

Fig. 8.

 Raceway shapes measured by different intervals.

Fig. 9.

 Effect of measuring interval on raceway boundaries in horizontal and vertical planes.

ここで本研究で提案したレースウェイの構造測定手法についてまとめる。本測定法は,一定の時間間隔をおいて撮像した充填層の断面画像の差分を抽出することにより,充填層内の運動粒子の存在領域を測定するもので,非接触で,かつ装置形状に対する制約が無いため,従来測定法とは異なり,レースウェイを形成する粒子の運動を妨げることなくレースウェイの三次元構造を測定可能である。本研究の範囲では粒子の運動速度の同定は行っていないが,上述の撮像間隔と粒子運動速度の関係および検知可能な粒子移動距離とCT画像のスライス厚さ,粒子径の関係を詳細に検討すれば,レースウェイ内の三次元的な粒子速度分布の測定にも応用可能であると考えられる。また,本研究では充填層内の断面画像を取得するためにX線CT装置を用いているため,実験装置の材質および大きさに制約があり,小型のコールドモデルを対象としたが,測定原理上,一定の時間間隔をおいて撮像した複数の断面画像が得られれば,撮像方法や測定対象に対する制約はない。近年,宇宙線を利用した実高炉内の情報検知の手法も開発されており32),これらが発展することにより実高炉内の断面画像が得られるようになれば,実炉への応用も可能になるものと考えられる。

4. 結言

本研究ではX線CT装置を用いてレースウェイの三次元構造を測定する新たな手法を提案して,冷間充填層内に形成したレースウェイの構造測定に適用し,以下の結果を得た。レースウェイ内には粒子が高速で運動する領域と,それを取り囲むように比較的低速で粒子が運動する領域が存在する。本研究の実験条件で形成されたレースウェイでは,羽口先端の後ろ側に回り込む粒子の運動が顕著であった。複数の断面画像から粒子運動領域を抽出する本方法では,撮像の時間間隔を調整することで,粒子の運動速度の範囲をある程度判断できる可能性がある。

謝辞

本研究の一部は日本鉄鋼協会第10回鉄鋼研究振興助成により実施されたものである。記して感謝の意を表す。

文献
 
© 2014 一般社団法人 日本鉄鋼協会

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