鉄と鋼
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鋳造・凝固
γ凝固0.75 mass%C鋼の不均質核生成に及ぼすZrO2の影響
諸星 隆 瀬々 昌文松宮 徹
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2019 年 105 巻 5 号 p. 502-511

詳細
Synopsis:

The disregistry between β-ZrO2 and γ-Fe is small. In this study, the effect of β-ZrO2 on the nucleation of γ-Fe was investigated by two experiments. First, 20 kg ingots containing 0.75 mass%C with Zr addition or with Al addition were cast and solidification structure was observed. High fraction of equiaxed grain structure was formed in the ingots with Zr addition, but not formed with Al addition. Next, undercooling of 500 g molten steel during cooling was measured. In this experiment a ZrO2 tablet or an Al2O3 tablet was set at the bottom of the crucible. Undercooling with a ZrO2 tablet was smaller than that with an Al2O3 tablet. These two results indicate that β-ZrO2 acts an effective heterogeneous nucleation site for γ-Fe. Interfacial energy differences between liquid Fe and solid γ-Fe both in cases of facing ZrO2 and Al2O3, which are key elements for heterogeneous nucleation capability, were compared and it was found that the difference in the former case is larger than that in the latter case and that chemical contribution is larger in comparison to structural contribution, i.e., lattice misfit energy, in the former case and vice versa in the latter case.

1. 緒言

凝固組織を等軸晶化して鋳片の中心偏析やポロシティを低減することを目的に,非金属介在物が鉄の不均質核生成に及ぼす影響について,主に,凝固初晶がδ-Feである成分系(δ凝固鋼)を対象として調査されている19)。特に溶鋼中のTiNが異質核として有効なことが分かっている15,7,9)。Itohら1)とTakeuchiら2)は,フェライト系17 mass%Cr鋼について,凝固開始前の溶鋼中のTiN生成量が多いほど,等軸晶率が増加することをインゴット鋳造実験や連続鋳造スラブ実験で示した。Fujimuraら3)は,16 mass%Cr鋼を用いたラボ実験を行い,スラグやるつぼから溶出したMgが作用して生じたMgAl2O4が溶鋼中に均一分散し,凝固温度以上においてTiNの晶出を促進した結果,凝固組織が著しく等軸晶化したと推察した。また,Kimuraら4)は11 mass%Cr鋼に,Isobe5)は0.1 mass%C鋼に,TiとMgとを合わせて添加した場合に,Ti単独で添加した場合よりも等軸晶率が大幅に増加することを報告している。TiN以外の有効な異質核としては,Nuriら6)が,0.1 mass%C鋼に希土類元素(REM)を添加し(REM)2O3を生成させると等軸晶率が増加することを報告している。

凝固組織の変化を調査するほか,凝固過冷度の測定により,異質核の有効性が調査されている。Bramfitt7)は,炭化物や窒化物の試薬を溶融純鉄に添加し,凝固過冷度を測定した。そして,δ-Feと炭化物や窒化物との間の格子不整合度を,次の式(1)で定義したplanar disregistry,δ,で指標化し,δが小さな物質ほど,凝固過冷度が小さくなること,δ≦5.9%であるTiNとTiCが異質核として非常に有効であることを示した。

  
δ(hkl)Fe(hkl)C=13i=13|(d[uvw]Cicosθ)d[uvw]Fei|d[uvw]Fei×100(1)

(hkl)Cは炭窒化物(異質核)の面指数,[uvw]Cは(hkl)C面内の方位,d[uvw]icは[uvw]Cに沿った原子間隔を示す。添え字がFeの場合はFeの面指数,面内方位,原子間隔を示す。また,θは[uvw]Cと[uvw]Feとの間の角度である。

Ohashiら8)は,REM脱酸して(REM)2O3が生成した溶鉄の凝固過冷度を測定し,3 Kと小さな値であること,(REM)2O3がAl2O3,SiO2,MnOに比べて,δ-Fe凝固時の異質核として非常に有効であるとの結果を得た。そして,これら4種の酸化物生成時の凝固過冷度の測定結果が,Bramfittが測定した炭窒化物とδ-Feとの間のplanar disregistryと凝固過冷度との関係を示す曲線上にプロットされることを示し,酸化物についても,planar disregistryで整理できるとした。Nakajimaら9)は,純鉄やNi量を変えたFe-Ni合金(1.0~29.3 mass%Ni)について,TiNやAl2O3,Ti2O3を生成させて,示差熱分析装置(DSC)を用いて凝固過冷度を測定した。その結果,凝固初晶がδ-Feであるかγ-Feであるかに因らず,凝固過冷度はTiN<Al2O3<Ti2O3の順序であった。この順序は,δ-Feについては3種の異質核との間の格子不整合度が小さい順序と一致する。またNakajimaら10)は,凝固初晶がγ-FeであるFe-10 mass%NiについてもDSCを用いて凝固過冷度を測定した。脱酸元素の添加量と添加後の経過時間が同一の場合,凝固過冷度はMgO<ZrO2<Al2O3<CaO-Al2O3の順序であった。しかし,γ-Feとの格子不整合度との関係については検討していない。

以上の通り,δ-Feの凝固においては凝固組織観察や凝固過冷度測定によって,格子不整合度が小さな物質が有効な異質核として作用する結果が得られている。一方,γ-Feの凝固に有効な異質核の報告例は少なく,特に凝固組織の変化を調査した例は見当たらない。そのため,凝固初晶がγ-Feである成分系(γ凝固鋼)の等軸晶化に実用的に有効な異質核は必ずしも明確でない。γ-Feとの格子不整合度の影響も詳細に検討されていない。

そこで,本研究では,凝固初晶がγ-Feである0.75 mass%C鋼を実験対象とし,まず,格子不整合度を指標として,有効と予想される異質核を検討した。その結果,後述の通り,β-ZrO2が有効であると予想した。次に,20 kg鋳造実験を行い,Zr添加の有無による凝固組織の変化を実験的に検証した。さらに,500 g溶鋼にAl2O3試薬あるいはZrO2試薬の粉末を成形したタブレットを浸漬し,凝固過冷度を測定し比較した。最後に,不均質核生成に作用する界面エネルギーのうち,凝固相γ-Feと異質核との間の界面エネルギーを推算し,この値に及ぼす格子不整合度の寄与について考察した。

2. γ-Feとβ-ZrO2との間の格子不整合度の計算

γ-Feと種々の非金属介在物との間のplanar disregistry,δ,を式(1)により計算した結果,β-ZrO2γ-Feの組合せの場合に,δが小さくなることが分かった。ZrO2は温度により結晶構造が変わり,O-Zr二元系状態図14)によると,α(単斜晶,~1478 K),β(正方晶,1478~2650 K),γ(立方晶CaF2構造,2650~2983 K)の3種類がある。実験対象とした0.75 mass%C鋼の液相線温度は,平居の式15)によると1743 Kであり,この温度ではβ-ZrO2である。

Fig.1β-ZrO2γ-Feの,Fig.2α-Al2O3γ-Feの,それぞれδが最小となる結晶面と方位の組み合わせ界面における原子の重なり方を示す。Table 1には1743 Kにおけるγ-Fe,β-ZrO2α-Al2O3の格子定数の計算結果を示す。γ-Feの格子定数はSekiら11)の式を1743 Kに外挿して計算した。β-ZrO2の格子定数は,Lang12)の格子定数と温度の関係式を用いた。α-Al2O3の格子定数は,R.T.(室温)における格子定数13)と線膨張係数13)を用いて計算した。Table 2δの計算結果を示す。β-ZrO2の(001)面とγ-Feの(001)面との間においてδ=1.5%であり,Bramfitt7)による有効な異質核としての目安である5.9%を下回った。一方,Al2O3の場合はδ=8.1%であり,β-ZrO2の場合よりも値が大きかった。この結果より,β-ZrO2γ凝固0.75 mass%C鋼の異質核として有効であると予想された。

Fig. 1.

The crystallographic relationship at the interface between the (001) of β-ZrO2 and the (001) of γ-Fe.

Fig. 2.

The crystallographic relationship at the interface between the (0001) of α-Al2O3 and the (111) of γ-Fe.

Table 1. Lattice parameters of γ-Fe (0.75 mass%C), β-ZrO2 and α-Al2O3 at 1743 K.
Crystal systemaxisEquation of lattice parameter (nm)Lattice parameter at R.T. (nm)Thermal coefficient of expansion (×10–6/K)Lattice parameter at 1743 K (nm)Ref.
Range
γ-Fe
(0.75 mass%C)
fcca0.35519+8.1593×10–6T
+1.7341×10–3 (mass%C)
1452-1550 K
0-3.35 mass%
0.370811
β-ZrO2tetragonala0.3588+0.450×10–5 (T-273)1423-1973 K0.365412
c0.3588+0.450×10–5 (T-273)1423-1973 K0.5299
α-Al2O3 (corundum)hexagonala0.47638.30.482013
c1.30031.3159
Table 2. Parameters for the planar disregistry equation.
planedirectiond[uvw]oxide (nm)d[uvw]γ-Fe (nm)θ (deg)d[uvw]oxide·cosθ (nm)δi (%)planar disregistry δ (%)
(001)β-ZrO2(001)γ-Fe[100]β-ZrO2[100]γ-Fe0.36540.37080.00.36541.51.5
[110]β-ZrO2[110]γ-Fe0.51680.52440.00.51681.5
[010]β-ZrO2[010]γ-Fe0.36540.37080.00.36541.5
(0001)α-Al2O3(111)γ-Fe[1210]α-Al2O3[110]γ-Fe0.48200.52440.00.48208.18.1
[1100]α-Al2O3[211]γ-Fe0.41740.45410.00.41748.1
[2110]α-Al2O3[101]γ-Fe0.48200.52440.00.48208.1

3. 実験方法

γ凝固鋼におけるβ-ZrO2α-Al2O3の異質核としての有効性を比較検討するため,20 kg鋳造実験による凝固組織観察と,500 g溶鋼の凝固過冷度の測定を行った。前者では,10 kgを超える比較的大きなインゴットの凝固組織の変化を観察した。凝固組織には,異質核その物の核生成能とともに,個数密度が影響することが予想される。後者では,β-ZrO2の凝固核生成能を鋼中の分布個数密度の影響と区別して評価するために,ZrO2試薬から作製したタブレットを溶鋼中に浸漬して凝固過冷度を測定した。そして,Al2O3試薬タブレットを浸漬した場合の凝固過冷度と比較した。

3・1 20 kg鋳造実験

0.75 mass%Cを狙い成分調整した溶鋼にZrを,または比較材の場合はAlを添加し,20 kgインゴットを作製し凝固組織を観察した。Ar雰囲気で,高周波誘導溶解炉を用いて電解鉄を融解し,ZrまたはAl以外の他の成分を調整した後,最後にZrやAlを添加した。溶鋼を鋳鉄製鋳型に鋳込み,断面110 mm×110 mm,高さ約250 mmの20 kgインゴットを作製した。鋳込み直前の炉内溶鋼温度の過熱度は,Fe-0.75 mass%C鋼の液相線温度1743 K基準で,過熱度44~48 Kであった。インゴットの成分分析結果をTable 3に示す。凝固組織や介在物の観察は,インゴット底部の沈殿晶を避けて,底から60 mmの横断面で行った。成分分析試料も同一面から採取した。横断面試料を研磨後,ピクリン酸飽和水溶液でエッチングし,エッチプリント16)を採取し,等軸晶率や等軸晶粒径を測定した。等軸晶率は,(等軸晶領域の厚み)/(インゴットの厚み)×100(%)で定義した。等軸晶粒径は,長径と短径を測定し円相当径を算出した。介在物をSEMで観察し,エネルギー分散型X線分析装置(EDS)で元素マップを撮影した。介在物の個数密度とサイズの測定は,試料を鏡面仕上げ研磨した後,光学顕微鏡で倍率400倍,80視野の合計面積1.96 mm2を観察し,最大長さ1 μm以上の介在物個数と,長径と短径を測定した。ZrO2は角形状だったので,長径と短径の平均値を平均サイズとした。

Table 3. Chemical composition of 20 kg ingots (mass%).
SampleCSiMnPSAlZrNT.O
Base0.770.850.820.020.0210.0230.00610.0015
Z10.710.820.830.020.018<0.0100.0030.00560.0010
Z20.730.870.840.020.019<0.0100.0100.00280.0012
Z30.780.860.800.020.017<0.0100.1920.00500.0014

3・2 500 g溶鋼の凝固過冷度の測定

溶鋼中介在物の代わりに,ZrO2あるいはAl2O3の試薬粉末から作製したタブレットを,るつぼの底に接着し溶鋼中に浸漬した状態で,炉冷時の凝固過冷度を測定した。

タブレットの原料とした試薬粉末は,ZrO2試薬は粒径37 μm以下の仕様であり,Al2O3試薬は粒径1 μm以下の仕様のものを用いた。それぞれの試薬粉末をステンレス製金型に充填し,60 MPaで600 sec間圧縮し,直径6 mm,高さ2 mmに成形した。そして,タンマン炉で,Ar雰囲気,1673 Kで6 hr保持し焼成した。焼成時の熱膨張,冷却時の熱収縮によりひびや割れが生じたものは使用しなかった。焼成後のタブレットをAl2O3製るつぼの底に,Al2O3が主成分である高温接着剤で接着した。

実験装置の一部分をFig.3に示す。石英管の外部に加熱コイルを配置した高周波誘導溶解炉であり,石英管内部にArを5 l/min.流した。るつぼ底に接着したタブレット上面から1~2 mm上部に,直径0.5 mmのB型熱電対を配置した。測温の応答性を高めるために,保護管は外径3 mm,内径2 mm,長さ500 mmの細いAl2O3製のものを使用した。

Fig. 3.

A schematic drawing of experimental apparatus for undercooling measurement of 500 g molten steel.

電解鉄500 gを1873 Kで融解し所定成分に調整した。20 kg鋳造実験の成分調整方法に近づけるため,ZrO2タブレット浸漬実験ではZrを添加し,Al2O3タブレット浸漬実験ではAlを添加した。その後,脱酸で生成した酸化物を可能な限り浮上させる狙いで1823 Kで3600 sec間保持した。なお,予備実験で1800 sec間以上保持すればインゴットのT.[O]分析値が十分に低下してほぼ一定値となることが分かっており,介在物浮上を徹底するために今回はさらに保持時間を長くした。また,この保持により,酸化物浮上のほか,溶鋼全体の温度分布状態や,溶鋼とタブレットとの界面の状態を,同一条件に揃えることを目的とした。その後,炉の電源を切って炉冷を開始し,タブレット上面から1~2 mm上部で,冷却時の温度変化を測定した。電源切断から約120 sec後に冷却速度はほぼ一定となり,0.6~0.7 K/secであった。ZrO2タブレット浸漬実験およびAl2O3タブレット浸漬実験それぞれで,1回の測定ごとに別の試料を用いて,複数回測定を行った。

インゴットの成分分析結果をTable 4に示す。ZrO2タブレット浸漬実験ではAlを添加しなかったが,インゴットからAlが検出された。Zr添加によりAl2O3るつぼが還元されたためと考えられる。

Table 4. Chemical composition of 500 g ingots for undercooling measurement (mass%).
TabletCSiMnPSAlZrT.O
Al2O30.71~0.730.71~0.810.74~0.750.018~0.0200.0006~0.00110.052~0.057<0.001
ZrO20.72~0.740.72~0.750.70~0.780.019~0.0220.0010~0.00120.043~0.0660.077~0.089<0.001~0.0013

4. 実験結果

4・1 20 kgインゴットの凝固組織

Fig.4に,各インゴットの凝固組織を示す。いずれもインゴットの底から60 mm位置の横断面の左半分である。鋳型に接した表層部に柱状晶が,インゴット内部の図中矢印で示した範囲に等軸晶が生成した。Zr無添加試料は,粗大な分岐状デンドライトであり,一方,Zr添加試料では,微細な粒状晶であった。インゴット厚みに対する等軸晶率の測定結果をFig.5に示す。Zr無添加(Al添加)の比較材の等軸晶率は54%であった。一方,Zr添加材の等軸晶率は約80%に達した。インゴット内部の等軸晶の円相当径をFig.6に示す。Zr無添加試料の分岐状デンドライト組織の円相当径は平均約5 mmであった。一方,Zr添加試料の粒状晶では平均約1 mmであった。この様に,Zr添加試料では,等軸晶率が増加すると共に微細粒状晶化した。

Fig. 4.

Solidification structure of 20 kg ingots. (a) half cross section of ingots, (b) enlarged parts of (a).

Fig. 5.

Equiaxed grain ratio of 20 kg ingots.

Fig. 6.

Equivalent circle diameter of equiaxed grain.

以上の様に,本実験では,Zr無添加(Al添加)の試料とZr添加試料の凝固組織に差が生じることが明らかになった。なお,Alのみの添加(Zr無添加)材においてZr添加材よりは少ないものの等軸晶が生成した点について,Al添加で生成したAl2O3によりある程度の等軸晶が生成した可能性が考えられる。しかし,本実験ではAlとZrのいずれも添加しなかった実験は行っていないため,Alのみの添加が凝固組織に及ぼす影響は明らかでない。

4・2 20 kgインゴットの介在物のSEM観察結果

0.192 mass%Zr材の20 kgインゴットで観察された介在物のSEM像(反射電子像)をFig.7に示す。図中には同一種と考えられる3個の角形状の介在物が凝集して観察されており,それぞれの角形状介在物の一辺の長さは数μm~10 μmであった。図中にはZrとOの元素マップも示す。この観察結果より,Zr添加試料中にZrO2が生成していることを確認できた。Zr添加試料中にZrO2が生成していたこと,その試料では等軸晶率が高かったことから,溶鋼中に生成したZrO2が異質核として作用した結果,等軸晶率が増加したと考えられる。一方,Al添加比較材ではAl2O3が生成していた。

Fig. 7.

A BSE image of ZrO2 and elemental maps for Zr or O.

4・3 Zr添加20 kgインゴットの介在物サイズと介在物個数密度

0.03 mass%Zr添加試料の介在物は角形状であり,長径と短径の平均値は2.5 μmであった。最大長さ1 μm以上の介在物個数密度は171個/mm2であった。ZrO2の密度6.1 g/cm3を用いてインゴットに含まれるZrO2量を算出すると31 ppmであり,Zr濃度に換算すると23 ppmと計算された。このZrO2の個数密度および量が,インゴットを等軸晶化するために必要な量の目安の一例と考えられる。

4・4 500 g溶鋼の凝固過冷度測定結果

Fig.8およびFig.9に凝固過冷度測定実験の測温グラフの例を示す。Fig.8はAl2O3タブレットを浸漬した実験,Fig.9はZrO2タブレットを浸漬した実験の測定例であり,横軸は炉の電源を切った時点からの経過時間である。まず,Fig.8について説明する。炉冷開始から約120 sec以降,グラフは直線になり,冷却速度が0.7 K/secに保たれたまま,204 secに極小値1720.6 Kに達した。直後に,急激に復熱し,最高温度1737.8 Kに達し,10 sec間,最高温度を保った。その後,温度は再び下がり始めた。復熱は凝固に伴う大量の潜熱放出に起因する。10 sec間継続した最高温度を液相線温度であるとみなした。

Fig. 8.

Thermal history of 0.75 mass%C steel with an Al2O3 tablet.

Fig. 9.

Thermal history of 0.75 mass%C steel with a ZrO2 tablet.

次に,ZrO2タブレット浸漬実験のFig.9について説明する。炉冷開始から約120 sec以降,Al2O3タブレット浸漬実験の場合と同様,グラフが直線状になった。冷却速度は0.7 K/secであり,この値もAl2O3タブレット浸漬実験の場合と同一であった。しかし,極小値に達する以前に冷却速度が低下し始め,192 sec,1733.5 Kを示した図中(s)で,グラフは直線から離れ始めた。その後,冷却速度が徐々に低下しながら極小値1724.4 Kに達した後に,復熱し始めた。その後はAl2O3タブレット浸漬実験と同様に,最高温度(液相線温度)1739.7 Kに達し,10 sec間継続した後,再び低下し始めた。ZrO2タブレット浸漬実験の場合,極小値に達する以前に,冷却速度低下が明確に見られることが特徴である。この挙動は,極小値に達する以前,図中(s)の時点から,凝固が開始していることを示すと考えられる。一方,Al2O3タブレット浸漬実験では,この冷却速度低下開始と極小値到達がきわめて短い時間間隔で生じたため,グラフが直線から離れ始める挙動が観察されなかったと考えられる。

そこで,凝固過冷度を,ZrO2タブレット浸漬実験の場合は,復熱後の最高温度である液相線温度と,図中(s)の冷却速度低下開始温度との温度差で定義し,一方,Al2O3タブレット浸漬実験の場合は,最高温度と極小温度との温度差で定義した。この定義による凝固過冷度の測定結果をFig.10に示す。個別結果のプロット(記号○)と共に,平均値(記号●)と標準偏差σを,平均値±1・σのエラーバーで示した。Al2O3タブレット浸漬実験の過冷度17.7±5.0 Kに対して,ZrO2タブレット浸漬実験の過冷度は8.9±5.0 Kであり,後者の方が過冷度が小さい結果であった。この結果より,Al2O3よりもZrO2の方が0.75 mass%C鋼の異質核として有効であると推定される。

Fig. 10.

Undercooling for nucleation of γ-Fe with an Al2O3 tablet or with a ZrO2 tablet.

なお,今回の凝固過冷度実験は20 kg鋳造実験で観察されたAl添加試料とZr添加試料の凝固組織の差の原因を凝固過冷度の観点から検証することを第一の目的としたため,AlやZrを添加し20 kg鋳造実験の条件に近づけた。一方,脱酸で生じた溶鋼中酸化物の影響をできる限り排除するため3600 sec間保持し,500 gインゴットのT.[O]分析値は最大値で13 ppmに低減した。さらに確実に溶鋼中酸化物の影響を排除してタブレット単独の核生成能を評価するためには,AlやZrを添加せずAl2O3タブレットのみ,あるいはZrO2タブレットのみを浸漬した実験が必要である。

4・5 凝固過冷度測定試料の凝固組織

凝固過冷度測定後の500 gインゴット(外径38 mm,高さ約60 mm)を直径に沿って半分に縦切断し,ピクリン酸飽和水溶液でエッチングして凝固組織を観察した。500 gインゴットの凝固組織は20 kgインゴットと異なって,全てのインゴットで柱状晶が大部分であり,幅方向厚み比率で80%以上を占めた。中心部は粗大分岐デンドライト組織であった。炉冷開始時の過熱度が約80 Kで高かったためと考える。Al2O3タブレット浸漬試料,およびZrO2タブレット浸漬試料の底部タブレット近傍の凝固組織をFig.11に示す。いずれも,インゴット底部から上部にむかって柱状晶が成長していた。

Fig. 11.

Solidification structure of ingots. a) with an Al2O3 tablet, b) with a ZrO2 tablet.

柱状晶の起点は,Al2O3あるいはZrO2のタブレットの表面およびタブレット周辺のAl2O3るつぼ壁であり,タブレット表面から核生成していることが確認された。しかし,タブレット表面およびるつぼ壁を起点としたいずれの柱状晶も上部に向かってほぼ平行に成長しており,一方の柱状晶が,別の一方の柱状晶の成長を遮っている様子は観察されなかった。そのため,るつぼ壁と比べてタブレット表面から優先的に核生成したか否かを凝固組織から判別することはできなかった。

なお,本実験では,タブレットを浸漬しなかった場合の凝固過冷度の測定は行わなかったため,るつぼ壁と同じAl2O3製のタブレットを浸漬した実験で,意図した通りにAl2O3タブレットがAl2O3るつぼ壁よりも有効な核生成サイトとして機能したかについては凝固過冷度の点からも確認できていない。このため,Al2O3タブレットの核生成能が全く無いのか,核生成能を有するがZrO2タブレットより著しく劣るだけなのかは本実験結果からは明らかでない。

5. 考察

不均質核生成時の界面エネルギーの釣り合いは次のYoungの式で表される。

  
γCL=γCS+γSLcosθCSL(2)

ここでγCL:異質核と液相間の界面エネルギー,γCS:異質核と凝固相間の界面エネルギー,γSL:凝固相と液相間の界面エネルギー,θCSL:異質核上の凝固相の接触角である。

接触角θCSLが小さいほど,凝固核生成を促進する有効な異質核である。式(2)より,(γCLγCS)が大きいほど,θCSLが小さくなることが分かる。しかし,固相Feと酸化物との間のγCSについての測定例は少なく17,18),固相FeとZrO2との間のγCSについての測定例は見当たらない。

γCSについて,Turnbull19)は,化学的エネルギー項(γCSch)と,構造的エネルギー項(γCSstr)とに区別した。

  
γCS=γCSstr+γCSch(3)

化学的エネルギー項は,異なる原子種の結合エネルギーの相違によって発生する界面エネルギーであり,構造的エネルギー項は,原子配列の構造的な乱れにより発生する界面エネルギーである20)。したがって,格子不整合度はγCSstrの指標と考えることができる。しかし,γCSstrが,γCSの全体に占める割合が不明であるので,格子不整合度が不均質核生成に及ぼす影響は明確でない。そこで,γCSstrについては,以下で説明するVan der Merwe21)のモデルを用いて推定した。そして,γCSchについては,Kaptay22)の式を用いてOhtaら23)が計算した値を用いて,γCSstrγCSchを合計してγCSを推定し,格子不整合度が不均質核生成に及ぼす影響を考察した。

5・1 構造的エネルギー項γCSstrの推算

Van der Merwe21)は,格子定数が異なる二つの結晶A,Bが接する界面を考え,界面に沿って一方向に周期的に並んだ転位の配列が作る界面エネルギーを求めた。

  
γCSstr=(μc/4π2)[1+β(1+β2)1/2βln{2β(1+β2)1/22β2},(foralongonedirection)(4)
  
β=2π(c/p)(λ+/μ)(5)
  
p=ab/(ba)(6)

p:転位間の距離,a, b:結晶A, Bの格子定数(a<b)

  
2/c=1/a+1/b(7)

c:reference格子定数

  
1/λ+=(1νa)/μa+(1νb)/μb(8)

λ+:有効弾性定数,νa, νb:結晶A, Bのポアッソン比(=0.3),μa, μb:結晶A, Bの剛性率

  
μ=(μa+μb)/2(9)

μ:界面の剛性率

  
μi=Ei/2(1+νi),(i=a,b)(10)

Ei:結晶A, Bのヤング率

式(4)の括弧内前半は転位芯のエネルギーであり,後半は弾性歪場のエネルギーである。

式(6)は転位間距離pを格子定数a,bで表した式である。a<bなので結晶Aに転位が導入されており,p=(P+1)a=Pb(ただし,Pは正の整数)である。この式の第二,三辺を変形したP=a/(b-a)を用いて式(6)が導かれる。

式(7)はreference格子定数cの定義式である。pに含まれる格子面の数は,結晶A,Bでそれぞれ,p/a,p/bである。pに含まれる格子面の数がこの両者の平均(p/a+p/b)/2=p/cとなる格子定数である。

式(9)は界面の剛性率である。結晶A,Bの剛性率の平均値を用いた。

上記モデルを用いてγCSstrを算出するには,凝固温度(今回は1743 K)における,固相Feと異質核の格子定数と,剛性率あるいはヤング率が必要である。

今回の計算では,格子不整合度が最も小さくなる結晶格子面と方位を組み合わせた界面について計算するので,式(6)と式(7)のa,bには,Table 2に示した原子間隔d[uvw]oxideとd[uvw]γ-Feを用いた。この様にγ-Feと異質核との原子間隔の組み合わせを用いることによって,γCSstrに対する格子不整合度の影響を反映することができる。1743 KにおけるAl2O3とZrO2のヤング率は,Al2O3と5 mass%CaO-ZrO2の文献値24)を外挿して求めた。計算に用いたAl2O3と5 mass%CaO-ZrO2のヤング率のデータをFig.12に示す。高温では粒界すべりが生じるため,見かけ上ヤング率が低下する。そこで両者とも,温度依存性が直線関係にある範囲,Al2O3では673~1223 K,5 mass%CaO-ZrO2では873~1173 Kの値を1743 Kに外挿した値を用いた。

Fig. 12.

Temperature dependence of Young’s modulus for polycrystalline (a) Al2O3, (b) Stabilized ZrO224).

Feのヤング率は,Fig.13に示すMizukamiら25)の実験値のうち,ZDT(延性消失温度)以下の実験値から回帰直線を求めて1743 Kに外挿した。ZDT以上の高温ではデンドライト樹間の液相が割れ起点となるので,固相鉄の正確なヤング率を測定できないからである。大きな鋼種差は見られないので,全3鋼種のデータを用いて回帰直線を求めた。

Fig. 13.

Apparent elastic coefficient of steel at high temperature region25). ○: Steel B, 0.09 mass%C-0.20 mass%Si-0.63 mass%Mn, △: Steel C, 0.24 mass%C-0.25 mass%Si-1.07 mass%Mn, □: Steel D, 0.48 mass%C-0.28 mass%Si-0.97 mass%Mn.

β-ZrO2γ-Feとの界面のγCSstr(β-ZrO2/γ-Fe)の計算結果をTable 5に,α-Al2O3γ-Feとの界面のγCSstr(α-Al2O3/γ-Fe)の計算結果をTable 6に示す。式(4)は一方向に並んだ転位配列から生じる構造的エネルギーである。界面は二次元なので,独立した二軸方向に転位が配列していると考えられる。それぞれの軸方向の構造的エネルギーを重ね合わせることができると考えられる21)ので,Table 5およびTable 6の最後の行で,式(4)による計算結果を2倍した値を異質核と凝固相間の界面の構造的エネルギーとした。γCSstr(β-ZrO2/γ-Fe)γCSstr(α-Al2O3/γ-Fe)の16%と計算された。

Table 5. Structure term of interfacial energy between β-ZrO2 and solid γ-Fe.
Propertysymbolunitγ-Feβ-ZrO2Interface
Lattice parameter at 1743 Ka, bnm0.37080.3654
Reference lattice parametercnm0.3681
Young’s moduls at 1743 KEa, EbGPa16.4103.9
Poisson’s ratioνa, νb0.30.3
Rigidity modulus at 1743 KGPa6.340.023.1
Effective elastic constantλ+GPa7.8
(Parameter)β0.0310
Structure term along two directonsγCSstrmJ/m251
Table 6. Structure term of interfacial energy between α-Al2O3 and solid γ-Fe.
Propertysymbolunitγ-Feα-Al2O3Interface
Lattice parameter at 1743 Ka, bnm0.52440.4820
Reference lattice parametercnm0.5023
Young’s moduls at 1743 KEa, EbGPa16.4251.2
Poisson’s ratioνa, νb0.30.3
Rigidity modulus at 1743 KGPa6.396.651.5
Effective elastic constantλ+GPa8.5
(Parameter)β0.0870
Structure term along two directonsγCSstrmJ/m2319

5・2 化学的エネルギー項γCSchの推算

Ohtaら23)は,次のKaptay22)の式を用いて,ZrO2と固相Fe,およびAl2O3と固相Feとの界面エネルギーを推算した。

  
γCS=γCL+γL(0.010.11cosθCL)(11)

ここでγCL:異質核と液相間の界面エネルギー,γL:液相の表面エネルギー,θCL:異質核上の液相の接触角である。式(11)は,γCLγCSと,γSLγSSとを比較し,後者が異質核Cを固相金属Sに置き換えた形で類似している点に着目して導かれている。具体的には,γCLγCSをエンタルピー項とエントロピー項とに分け,エントロピー項の変化については,(γCLSγCSS)=γSLSとしている。エンタルピー項については,付着仕事のエンタルピー項について,WCSH/WCLH=WSSH/WSLHを仮定している。その他,異質核C上の液相金属のYoungの式などを用いて整理して上式が導かれている。式の導出過程において,格子不整合度は考慮されていない。式(11)は,Kaptay自身が言及している通り22),理想的な整合状態にある界面エネルギーを表す。すなわちγCSstrを考慮していない。したがって,式(11)は化学的エネルギー項, γCSchを表す式である。この点は,式(11)に使われているγCLγLθCLが液相金属についての物性値であり,固相の結晶構造が考慮されていない点からも確認できる。

Ohtaら23)の計算の結果,ZrO2と固相Feとの間の界面エネルギーの化学的エネルギー項,γCSch(ZrO2/Fe)=1760 mJ/m2,Al2O3と固相Feとの間の化学的エネルギー項,γCSch(Al2O3/Fe)=2480 mJ/m2が得られている。

5・3 不均質核生成に及ぼす化学的エネルギー項と構造的エネルギー項の影響

不均質核生成時のYoungの式,式(2)より,(γCLγCS)が大きいほど接触角θCSLが小さくなる。(γCLγCS)に及ぼすγCSstrの影響を評価するために,(γCLγCS)を化学的および構造的エネルギー項に分離すると,γCLγCS=(γCLch+γCLstr)−(γCSch+γCSstr)=(γCLchγCSch)+(−γCSstr)である。ここで,異質核/液相金属界面では構造的エネルギー項が作用しないので,γCLstr=0を利用した。γCSstr≧0であるので,式(12)が成り立つ。

  
γCLγCSγCLchγCSch(12)

(γCLγCS)の上限値,すなわちθCSLの下限値は,(γCLγCS)の化学的エネルギー項,(γCLchγCSch)で決定されることが分かる。γCSstrθCSLを下限値から増加させる方向にのみ作用する。(γCLchγCSch),および(γCLchγCSch)に対する(−γCSstr)の割合を算出した結果をTable 7に示す。まず,β-ZrO2/γ-Fe界面の(γCLchγCSch)は−130 mJ/m2であり,α-Al2O3/γ-Fe界面の値−190 mJ/m2よりも大きい。したがって,β-ZrO2/γ-Fe界面のθCSLの下限値は,α-Al2O3/γ-Fe界面に比べて小さい。(−γCSstr)については,β-ZrO2/γ-Fe界面の方が絶対値が小さいので,θCSLの下限値からの増加代が小さい。これらの理由で,β-ZrO2/γ-Fe界面の(γCLγCS)はα-Al2O3/γ-Fe界面の値よりも大きく,θCSLは小さいため,不均質核生成に有利であることが分かる。(γCLchγCSch)に対する(−γCSstr)の割合を比べると,β-ZrO2/γ-Fe界面の値が0.39であるのに対し,α-Al2O3/γ-Fe界面では1.68と大きい。格子不整合度の小さいβ-ZrO2/γ-Fe界面では,構造的エネルギー項の寄与が小さいことを示している。β-ZrO2/γ-Fe界面では,γCSstrの寄与が小さい結果,β-ZrO2/γ-Fe界面の(γCLγCS)の値,−181 mJ/m2は,α-Al2O3/γ-Fe界面の化学的エネルギー項,(γCLchγCSch)の値−190 mJ/m2よりも大きい。このことは,α-Al2O3/γ-Fe界面が,仮に理想的に整合であってγCSstr=0であっても,β-ZrO2/γ-Fe界面の核生成能に及ばないことを示している。この様に,異質核の核生成能の上限(θCSLの下限)を決める要因として,(γCLchγCSch)は重要な指標である。式(11)を変形して,次の式で表すことができる。

  
γCLchγCSch=γL(0.010.11cosθCL)(13)
Table 7. Comparison of γstr with γCS.
InterfaceγCL ch 22) (mJ/m2)γCS ch 22) (mJ/m2)γCLch – γCSch (mJ/m2)–γCSstr (mJ/m2)–γCSstr/(γCLch – γCSch) (–)γCL – γCS (mJ/m2)
β-ZrO2/γ-Fe16301760–130–510.39–181
α-Al2O3/γ-Fe22902480–190–3191.68–509

液相の接触角θCLが大きな異質核であるほど,(γCLchγCSch)が小さくなることを示す。この結果,異質核上の凝固相の接触角θCSLの下限値が大きくなるので,核生成能は低下する。この様な異質核を,核生成を促進するために利用するためには,γCSstrが極力小さくなる格子不整合度の低い結晶面,方位の組合せが存在することが必要条件となる。

6. 結論

(1)凝固初晶がγ-Feである0.75 mass%C鋼の等軸晶化に有効な異質核を,格子不整合度planar disregistry,δを指標として検討し,δ=1.5%のβ-ZrO2を選択した。20 kg溶鋼にZr添加を行い,鋼中にZrO2を生成させた溶鋼を鋳造したインゴットは,等軸晶率が大幅に増加した。

(2)ZrO2タブレットあるいはAl2O3タブレットを溶鋼に浸漬して凝固過冷度を測定した。その結果,Al2O3タブレットを浸漬した場合より,ZrO2タブレットを浸漬した場合に凝固過冷度が小さくなった。異質核としての有効性が高いと考えられる。

(3)不均質核生成時の固相γ-Fe/異質核物質間の界面エネルギーγCSを,γCSch+γCSstrに分けて推算し,θCSLの下限値を決める(γCLchγCSch)に対する,(−γCSstr)の割合を算出した。格子不整合度の小さなβ-ZrO2/γ-Fe界面では,構造的エネルギー項(−γCSstr)によるθCSLの下限値からの増加代が,α-Al2O3/γ-Fe界面の場合よりも小さいと推定された。

文献
 
© 2019 一般社団法人 日本鉄鋼協会

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