Tetsu-to-Hagane
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Influence of Volatile Elements on Bubble Defect (Popping) of Thermal Hardening Type-Polyester Resin Paint Film Heated on Steel Sheet
Hiroyasu FurukawaHiroshi Kanai
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2013 Volume 99 Issue 4 Pages 288-293

Details
Synopsis:

The influence of volatile elements on the popping of polyester resin solutions on the substrate steel sheet was investigated by heating substrate with various patterns of rising temperature. The results were as follows.

1)When using the resin solution which did not include any hardener, the bubbles which were generated at comparatively low temperature were deleted with the rise of the temperature. This is because the diffusion barrier for the volatile elements in the resin solution film was very low. On the other hand, in the case where the hardener exists, the bubbles were not deleted. Therefore, for the purpose of the popping prevention of thermal hardening type-polyester resin solutions, it is necessary not to generate any bubbles into the film during the heating process within all ranges of the temperature.

2)In the heating process of the resin solution film, the temperature range where the bubble occurs existed. When this range was heated at low-speed, the popping was controlled. This temperature range was almost corresponding to the evaporation temperatures of the volatile elements (solvents and reaction products) of the resin solution inside. However, when strictly seeing, this range was being shifted a little to the low temperature side than the evaporation temperatures. It is thought that the diffusion of the volatile elements was obstructed along with the rising of viscosity of the resin solution, and the partial pressures of the volatile elements were relatively risen in the resin solution.

1. 諸言

成形加工前の平板の段階で予め塗装が施された鋼板はプレコート鋼板と呼ばれる。これを使用することで,家電メーカーや建材メーカー等の鋼板需要家では自社での塗装工程が省略でき,環境問題への対応や生産工程の簡略化による生産効率の向上等が図れるため,プレコート鋼板は近年広く使用されている1,2)Fig.1にプレコート鋼板の代表的な塗膜断面構成を示す。塗装前の原板には亜鉛系めっき鋼板が使用されることが多い。原板は,塗膜密着性向上を主目的とする化成処理が施された後,その上層に塗料が塗布され乾燥硬化される。表側の塗膜としては,プライマー塗料塗布→加熱硬化による膜形成→トップコート塗料塗布→加熱硬化による膜形成,といういわゆる2コート2ベークの工程により2層構造の塗膜が形成されるのが一般的である。プライマー層には,主に原板との密着性や耐食性を,トップコート層には,意匠性や硬度,加工性,耐汚染性といった,使用目的に応じた表層機能を担わせている。両層の塗料に使用される樹脂としては,各種の性能バランスに優れるポリエステル樹脂系のものが広く使用され,硬化剤としてはメラミン化合物やイソシアネート化合物が広く使用されている。

Fig. 1.

 Cross section of general pre-coated steel sheet.

プレコート鋼板は,連続塗装ラインにて鋼帯状で製造されるのが一般的であり,塗膜の硬化においては両層とも概ね30秒から1分以内で鋼板温度を200°C超とする急速加熱が行われる。プレコート塗料は,樹脂や顔料等の固形分の他に溶剤を含有しているため,加熱乾燥時に塗膜の内部で溶剤が急激に気化することにより塗膜中に気泡が発生し,この気泡が塗膜外に抜けずに残留したまま塗膜が硬化すると,「わき」と呼ばれる泡欠陥が塗膜に生ずる。同一の加熱条件で比較すると,この泡欠陥は膜厚が厚いほど発生しやすく,プライマー層とトップコート層とでは,一般的に設定膜厚が厚いトップコート層で問題となることが多い。

泡欠陥が発生する機構は,塗膜内部での溶剤の沸騰により説明されるのが一般的である。例えばPriceやAustらは,熱風乾燥炉で樹脂/溶剤系の塗膜を乾燥するときに発生する泡(「わき」と同じ現象と思われる)は,溶剤の分圧が大気圧を越えるときに発生するとしている3,4)。しかし,実際の塗膜の硬化過程で発生する揮発性物質は溶剤だけではなく,樹脂や硬化剤の反応生成物がそれぞれの反応温度で発生する影響も存在する。また一方で,塗膜の硬化の影響も無視できない。すなわち,塗膜の硬化が進行して気体の拡散が阻害されることにより,塗膜内部での溶剤の分圧の上昇が大きくなり泡が発生しやすくなり,さらに硬化により塗膜の流動性が低下していることにより,発生した泡が塗膜中にそのまま残りやすいという機構も同時に働いていると考えられる。このように,泡欠陥は種々の要因が影響する複雑な機構により発生していると考えられる。

本報では,各種の影響因子のうち,主に樹脂溶液中の揮発成分(溶剤,反応生成物等)の影響について検討した結果について報告する。樹脂の種類を固定し硬化剤および溶剤を種々変化させて作製した樹脂溶液を用い,鋼板上にて昇温パターンを系統的に変化させて加熱したときの泡欠陥の発生状況を比較することで,揮発成分の種類や揮発タイミングが泡欠陥の発生に与える影響について調査した。なお,塗膜の硬化挙動が泡欠陥発生に及ぼす影響については,別報にて報告する。

2. 実験方法

2・1 検討した樹脂溶液と塗装条件

Table 1に示すA~Fの計6種類の樹脂溶液(いずれも顔料を含まないクリア樹脂溶液)を供試剤とした。主樹脂の高分子ポリエステル樹脂は,数平均分子量が約12000,OH価が10,酸価が6のものを使用した。硬化剤としてのメラミン化合物は,メチロール型ブチル化メラミン5)(数平均分子量:約1000),およびイミノ型メチル化メラミン5)(数平均分子量:370)を固形分質量で同量ずつ混合したものを使用し,主樹脂に対して固形分比率で20%となるように添加した。併せて,メラミン化合物の硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を,樹脂固形分に対して0.5%添加した。一方,イソシアネート化合物は,メチルエチルケトンオキシムでブロック化したヘキサメチレンジイソシアネート(NCO当量:5.7%)を使用し,NCO/OH当量比が1.2となるように添加した。併せて錫触媒も添加した。主な溶剤としては,シクロヘキサノン/芳香族炭化水素系溶媒=1/1混合溶剤,およびn−メチルピロリドンを使用した。本報では芳香族炭化水素系溶媒として,市販のソルベッソ150(初留点:183°C)を使用した。これらの有機溶剤はいずれも,本報で使用した樹脂に対して単体で高い溶解力を有する。ただし,各種の原材料中に特定の溶剤が既に含有されているため,最終的な溶剤組成はTable 1に示すとおりであった。

Table 1.

 Resin liquid samples used in this study.

次に,Table 2に示す各種条件により,鋼板上に各種の樹脂溶液を塗布し,乾燥・硬化させた。加熱は高周波誘導加熱(IH)により行い,Fig.2に示す各種の昇温パターンによる加熱を実施した。なお,今回の実験では,サンプル間の泡欠陥の程度差を明確にするため,塗膜の乾燥膜厚を通常よりも厚く32μmに設定した。

Table 2.

 Conditions of experiment.

Fig. 2.

 The heating patterns in this study.

検討した昇温パターンは,大きくは以下のAおよびBの2系統とした。

(系統A)

プレコート塗料の一般的な加熱条件である高速加熱を行った。すなわち,常温から到達板温度(Peak Metal Temperature:PMTと略記)までを概ね1分以内で昇温させるものであり,今回の実験ではPMT230°Cで,約4.7°C/秒の昇温速度に設定した。また,昇温過程のどのタイミングで泡欠陥が発生し始めるのか確認するため,種々の途中温度で加熱を停止したサンプルも作製した。

(系統B)

泡欠陥の発生を抑制するために,PMTは同一(230°C)で昇温速度を遅くした(低速加熱)。今回はモデル的な実験とするため,昇温速度が極端に低い条件に設定にした(約0.46°C/秒)。また,この低速加熱条件により途中の各温度まで加熱した後,高速加熱(系統Aと同一の約4.7°C/秒)に切り替えてPMTまで加熱する昇温パターンについても検討した。低速加熱から高速加熱に切り替える温度を種々変更し,Fig.2に示す各種の昇温パターンによる加熱を実施した。また,昇温過程のどのタイミングで泡欠陥が発生し始めるのか確認するため,種々の途中温度で加熱を停止したサンプルも作製した。加熱速度切り替えによる各種昇温パターンは,鋼板表面の樹脂溶液未塗布部にヒートラベルを貼附した状態で加熱し,ヒートラベルの色変化で鋼板が所定の温度に達したと判断した時点で,高周波電源の出力を変化させる操作を試行錯誤的に繰り返し行うことにより,その昇温パターンの再現条件を決定した。

2・2 泡欠陥の観察と評価

各種の昇温パターンで作製した塗装板(対象とする塗装部分は膜厚の安定している塗装中央部の5×5cmとした)の泡欠陥の状態を拡大倍率10倍のルーペで観察し,泡の個数をカウントして以下のように評点付けした。5×5cmの範囲内に泡が0個:10点(最高点),1~2個:9点,3~4個:8点,5~7個:7点,8~11個:6点,12~16個:5点,17~25個:4点,26~50個:3点,51~100個:2点,100個以上:1点(最低点)とした。

なお,加熱途中段階の塗装板の泡欠陥は,各昇温パターンでの昇温途中で加熱を止めて塗装板を取り出し,その時の塗装面を観察することにより評価した。一度途中で加熱を停止した塗装板は,継続してその後の加熱実験に使用することはしなかった。

3. 結果および考察

3・1 系統A(高速加熱)

系統A(高速加熱)の加熱過程での泡欠陥の変化を,樹脂溶液種類別に整理した結果を,Fig.3に示す。

Fig. 3.

 The evaluation of the popping by the heating of type A (High-speed heating).

Fig.3より,以下のことが読み取れる。

・硬化剤を添加していない樹脂溶液EおよびFでは,硬化反応による影響が無いため,単純に溶剤の揮発のみによる泡欠陥が発生していると考えられる。シクロヘキサノン/芳香族炭化水素系溶媒のみを使用した樹脂溶液Eでは130°Cを超えたところで,また高沸点溶剤であるN−メチルピロリドン(NMP)を添加した樹脂溶液Fでは150°Cを超えると,泡欠陥が発生し始めている。沸点は,シクロヘキサノンが155°C,芳香族炭化水素系溶媒が概ね180°C(初留点),NMPが202°Cであることから,各樹脂溶液の溶剤の沸点以下の温度で泡欠陥が発生し始めている。これは,溶剤の揮発に伴い樹脂溶液の粘度が上昇したことにより溶剤の樹脂溶液中での拡散が阻害され,樹脂溶液中での溶剤の分圧が相対的に上昇したためであると考えられる。ただし,硬化反応を伴う樹脂溶液と比較すれば,樹脂の架橋反応による揮発成分の拡散の阻害が無い分,泡欠陥の発生開始温度は相対的に高めである(より高温まで泡欠陥が発生しにくい)。

・樹脂溶液Eでは,温度が160°Cを越えると逆に泡欠陥が解消する方向に転じている。これは,硬化剤未添加のため樹脂が硬化せず,一度発生した泡欠陥の気泡内から加熱により気体が抜け,その後塗膜が流動し平滑化したためと思われる。この現象は,硬化剤を添加した他の樹脂溶液では見られない。

・同じ硬化剤系同士で比較した場合,泡欠陥の程度は,NMPを添加したもののほうが,未添加のものに比べて常に軽微である。これは,沸点の高いNMPを添加したほうが,より高温まで溶剤が残留していることで塗膜の流動性が高温時まで失われず,アルコール等の反応生成物や他の低沸点溶剤等の塗膜内拡散が阻害されにくいためであると考えられる。

・硬化剤未添加の樹脂溶液と比較して低い温度で泡欠陥が発生しはじめているものは,いずれも硬化剤による塗膜硬化の影響を含んでいると考えられる。メラミン化合物硬化系である樹脂溶液AおよびBでは,110°Cを超えたところから泡欠陥が発生し始めている。これは,メラミン化合物の硬化による塗膜の急速な3次元架橋構造化が進み,揮発成分の塗膜内拡散の障壁となるためであると考えられる。一般的にメラミン化合物の反応は110~120°C以上で起こるとされており5),今回の実験結果と温度がほぼ一致する。また,泡の原因となる揮発成分としては,メラミン化合物の反応生成物(アルコール等の比較的低沸点の物質)や,溶剤中に微量混在しているn−ブタノール(沸点117°C)および2−メチル−1−プロパノール(沸点108°C)等が考えられる。一方,イソシアネート化合物硬化系の樹脂溶液CおよびDについては,それぞれ硬化剤未添加の樹脂溶液EおよびFと比較した場合,160°Cを超えたところでイソシアネート化合物硬化剤添加の影響が現れはじめ,硬化剤未添加品よりも泡欠陥が多くなっている。これは,イソシアネート化合物のブロック剤の揮発によるものであると考えられる。ブロック剤(メチルエチルケトンオキシム)のイソシアネート化合物からの解離温度は140~160°C,沸点は約150°Cであるため,ブロック剤は150~160°C付近で解離・揮発する。この温度は,上記のイソシアネート化合物硬化剤添加の影響が現れはじめる温度とほぼ一致している。

・同一加熱条件で比較した場合,メラミン化合物硬化系はイソシアネート化合物硬化系よりも泡欠陥の発生が多い傾向が見られる。メラミン化合物による硬化とイソシアネート化合物による硬化とでは樹脂の3次元的架橋構造が異なるため単純な比較はできないが,メラミン化合物の硬化反応がイソシアネート化合物よりも低温で開始するため,塗膜中に残留している揮発物の塗膜内拡散が,より低温時から阻害されることが第一義的な原因であると考えられる。加えて,メラミン化合物は,塗料内での表面エネルギーバランスにより塗膜表面に濃化して自己縮合反応することが知られており6),イソシアネート化合物による硬化時よりも塗膜表面に緻密なバリア層を形成し,揮発物の拡散がより阻害される一因となっている可能性もある。このような樹脂の架橋の影響については,樹脂溶液の粘弾性の温度依存性を調査し,樹脂の架橋構造と泡欠陥との関係を明らかにすることで解明できるものと考える。塗膜の硬化挙動が泡欠陥発生に及ぼす影響については,別報にて報告した7)

3・2 系統B

系統B(低速加熱および昇温速度途中変更)の加熱過程での,加熱途中および加熱後の塗装板の泡欠陥の評点をFig.4に示す。これより,以下のことが読み取れる。

Fig. 4.

 The evaluation of the popping by the heating of type B.

・樹脂溶液Bでは140°C到達以降,樹脂溶液Cでは130°C到達以降,樹脂溶液Dでは110°C到達以降を急速加熱しても,泡欠陥は発生していない。泡欠陥の発生に影響を及ぼさない領域が高温側に存在するといえる。

・メラミン化合物硬化系よりもイソシアネート化合物硬化系を,またシクロヘキサノン/芳香族炭化水素系溶媒に加えてNMPを併用して使用した方が,泡欠陥の発生に影響を及ぼさない高温側の領域が広い。

・硬化剤添加の樹脂溶液を使用した場合,230°C加熱終了後に泡欠陥が発生していない昇温パターンでは,昇温過程でのいずれの温度においても泡欠陥の発生は見られない。成膜後に泡欠陥のない外観を得るには,硬化過程を通して泡を発生させないことが必要であるといえる。一度発生した泡がその後の脱泡と塗膜流動により解消されることは,前述のような硬化剤未添加系の樹脂溶液の場合を除いては,期待できないものと考えられる。

3・3 昇温パターンによる泡欠陥抑制の実証例

以上の結果に基づき,樹脂溶液の塗装板の昇温パターンにおいて,低温領域を急速加熱,中温領域を低速加熱,高温領域を急速加熱とすることで,泡欠陥が抑制できることが示唆される。そこで,樹脂溶液CおよびDを,0.7mm厚さのZn-Ni電気めっき鋼板(ジンクライト)上に乾燥膜厚32μmとなるようにブレードにて塗布し,Fig.5に示すような種々の昇温パターンにて加熱硬化させたときの泡欠陥の程度を比較する実験を行った。結果をTable 3に示す。

Fig. 5.

 The heating patterns having lower speed heating periods in middle range.

Table 3.

 The evaluation of the popping by a variety of the lower speed heating ranges.

この結果より,以下のことがいえる。

・いずれの樹脂溶液においても,中温領域を低速加熱とする昇温パターンにすることで,定速加熱する場合よりも泡欠陥の少ない外観が得られている。

・全体的な傾向として,溶剤にシクロヘキサノン/芳香族炭化水素系溶媒のみを使用するよりも,NMPを併用するほうが泡欠陥が少ない。先の実験の結果と同様の傾向である。

・樹脂溶液の種類によって,泡欠陥抑制の効果が最も現れる低速加熱温度領域が異なっている。樹脂溶液C(溶剤:シクロヘキサノン/芳香族炭化水素系溶媒)および樹脂溶液D(溶剤:NMP併用)のこの温度領域はそれぞれ,100~160°C,および120~180°Cである。樹脂溶液CからDへと含有する溶剤の沸点が高くなると,この温度領域も高めにシフトしていることがわかる。ただし,この領域はそれぞれの添加溶剤の沸点よりも低温側にあり,ここでも樹脂の硬化による溶剤の塗膜内拡散阻害の影響が現れる結果となっている。

4. 結言

鋼板上に熱硬化型ポリエステル樹脂溶液を塗布し,加熱乾燥する際に発生する泡欠陥に関して,樹脂溶液中の揮発成分および昇温パターンの影響について調査した結果,以下のことがわかった。

1)硬化剤を添加しない樹脂溶液では,揮発成分の樹脂溶液中での拡散が樹脂の硬化により阻害されないため,一旦発生した泡欠陥が加熱とともに解消する現象が見られた。揮発成分の拡散障壁がない塗膜においては,泡欠陥の発生は可逆的現象であるといえる。一方,塗膜硬化による拡散障壁が存在すると,一旦生じた泡欠陥は解消されない。よって,加熱硬化型樹脂溶液の場合,成膜後に泡欠陥のない外観を得るには,加熱の全過程にわたって泡を発生させないことが必要である。

2)樹脂溶液皮膜の加熱過程において泡欠陥の発生する温度領域が存在し,この領域を低速加熱すれば,それより低温側や高温側の温度領域を急速加熱しても,泡欠陥は生じにくい。この温度領域は樹脂溶液中の揮発成分(溶剤,硬化反応生成物)の気化温度に概ね対応づけられるが,含有する溶剤の沸点や反応生成物の発生温度より若干低温側に位置する。これは,樹脂溶液の粘度上昇に伴い揮発成分の塗膜内拡散が阻害され,樹脂溶液中でのこれらの分圧が相対的に上昇するためであると考えられる。

3)溶剤や硬化剤の選択においては,2)で述べた泡欠陥の発生する温度領域がより高温側となるような条件であるほど,泡欠陥の程度は軽微となる。例えば,メラミン化合物硬化系よりもイソシアネート化合物硬化系のほうが,シクロヘキサノン/芳香族炭化水素系溶媒溶剤よりもNMP(高沸点溶剤)併用のほうが,それぞれ泡欠陥は軽微な傾向である。これは,比較的高温状態まで塗膜の流動性が確保され,揮発成分の塗膜内拡散が阻害されにくいことを意味していると考えられる。

文献
 
© 2013 The Iron and Steel Institute of Japan
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