大雪山の残雪凹地で,柔らかく風化しやすい多孔質凝灰岩(通称: 大谷石)の整形試料を用いた野外実験を行い,重量減少法による風化速度の分布を明らかにした。減少重量率は残雪砂礫地の中心部や下方で高く,上方では低い。谷底や強風砂礫地では減少重量率は低くはない。残雪砂礫地内での減少重量率は,凍結融解日における凝灰岩の水分量と有意な順位相関がある。したがって,減少重量率の分布は凍結風化に規定されているといえる。しかし,強風砂礫地や残雪砂礫地斜面上方では,乾湿風化や,積雪のひきずりが影響している可能性がある。