季刊地理学
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研究ノート
エスニックテーマ型ツーリストタウン 「レブンワース」の構築とその本質
杉浦 直
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69 巻 (2017) 4 号 p. 207-222

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抄録

レブンワースは,カスケード山中に位置する資源依存型の山間小都市であったが,戦後1950年代には,産業基盤の弱化により衰退した。1960年代から市の再活性化が模索され始め,その過程でドイツ(ババリア)風に街並みを改造する「ババリア化」のアイデアが浮かび上った。その後さまざまな紆余曲折を経て,1970年代には建物改装のためのデザイン評価ガイドラインも制定され,2001年のガイドライン厳格化を経て,今日ではダウンタウンの建物のほとんどがババリア的建築要素をもつユニークなエスニックテーマ型のツーリストタウンが実現している。こうした「場所の構築」の文化的本質に関して以下の普遍的な意味が指摘できる。1)レブンワースでは他のテーマ性の強い観光空間と同様,ツーリスト向けの特殊な買い物空間が創出され,ビジュアルに特異な建造環境とともに様々なアイテムが消費されている。2)そこで見られるエスニシティは「発明されたエスニシティ」(Hoelscher, 1998)の性質が強いものであり,そこで謳われた真正性は所与のものではなく交渉され演出されたものであった。3)そこにおけるまちづくりの過程は,「空間的ストレス-シンボル化」モデル(Rowntree and Conkey, 1980)にきわめてよく適合する。

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